またまた阪神の話題。阪神電鉄は村上ファンドに株式を買い占められて,大慌てで買収防衛策を講ずるという。だが「38%超も掌握されてから買収防衛策を導入しても実効性があるか疑問だ」(大手証券)との指摘があるように,手遅れの感ありだ。
すでに,9月27日に村上ファンドが阪神株を大量保有したと報道されている。その段階でもすでに27%であった。即時対抗策を講じるべきであった。しかも,10月に阪神電鉄は阪神百貨店を完全子会社化したが,これには昨秋からモルガン・スタンレーが阪神百貨店の第2位株主になっていることも完全子会社化に影響しているのではないかといわれていた。これが報道されたのは今年の6月である。
子会社の買収防衛にかまけている間に本体の買収が仕掛けられたわけだ。だが,買収防衛策の重要性はすでにこの段階で気付いていたはずだ。それが今になって防衛策とはどういうわけだろう。フジテレビの時もそうであったが,買収防衛といっても資金が必要である。社長の決断がなければそれは不可能である。その金額の大きさゆえにサラリーマン社長の決断が鈍る。そこにつけ込まれるわけだ。
しかもフジテレビの時も,子会社ニッポン放送株買収にすでに資金投下していたので手許資金量が減少していたはずだ。今回も同様に阪神百貨店子会社化のための資金が支出され,手許資金が減少していたはずだ。ここにつけ込まれたわけだ。それも別のファンドによって。フジの場合は,ニッポン放送株を村上ファンドが買い集めていた。フジは防戦して子会社化を図ろうとしていた。そこへライブドアが割り込んできたわけだ。阪神の場合はモルガンに対抗している内に,村上ファンドに割り込まれたわけだ。しかも今度は本体に対する買収であった。
何となれば,「日経会社情報」2005年秋号によれば,フジテレビの時価総額が6852億円に対して,阪神電鉄の時価総額は1595億円でしかないからだ。フジの場合は子会社のニッポン放送(時価総額1601億円,「日経会社情報」2005年新春号による)が狙われたのも時価総額が手頃だったのだろう。買収防衛などで資金を「使い果たして」いて,手頃な時価総額の会社が狙われやすいということになる。
ということは,村上ファンドの先回りをして株を取得しておけば,村上ファンドが仕掛けてきたら必ず株価は上がるのだから,儲かるということになる。わがゼミ生などがそれで儲けるかも知れない。
|