singersong professor KMの日記

2003年03月11日(火) 紛れている内に株価8000円割れ

 いつもここで書いているように,あれこれと仕事をしたり,そして研究会に出たりの毎日である。多忙に紛れている間に日経平均は8000円を割ってしまった。

 8日(土)は経営学振興会・経営学部校友会のセミナーで,スガシタファイナンシャルサービスの代表取締役社長・菅下清廣氏の「デフレ不況----株安時代の儲かる投資戦略----」というテーマでのセミナーであった。そういう意味では時宜にかなったテーマであった。そしてたいへん有意義な話だったが,年度末繁忙期だからか,やや出席が少なかったのが残念だった。

 お話の一部だけ(しかも実践的な部分のみ)抜粋して紹介しておこう。

「銘柄で考えましょう。ソニー,日立などはオールド・エコノミー=インフレ体制の会社です。ここには過剰な債務,過剰な社員,過剰な設備や在庫があります。こういう銘柄は,微弱な戻りはあるが新高値はありません。他方,ゼンショー(牛丼チェーン),幻冬舎,ライトオン(ジーンズ銘柄)など名前を知られていない,90年代上場の銘柄があります。これらはニュー・エコノミー=デフレ体制の会社です。こういうところから,どんどん新値が出ています。生活流通革命,ライフスタイルの変化がその背景にあります。」

 確かに,投資戦略の参考になる話であった。

 10日(月)には大阪市立大学でコーポレート・ガバナンス研究会があった。中央大学教授首藤恵氏,東京大学教授渋谷博史氏,大阪私立大学教授佐合紘一教授らの話で,私も質問させてもらった。終わってから,大学近くで懇親会で再び話すことができた。

 しかし,あまり楽観的な話は聞けない。悲観的にならざるを得ない。菅下氏の話と言い,研究会での話と言い,今の政府が同じような政策をつづけているかぎり(今の政府はそういう政策を掲げて,つまりデフレに闇雲につっこむことを政策として掲げて,それを支持されて政権を担っているのだから,政策を変更するはずもない),どん底へ向けまっしぐらだ。森・小泉政権は株価的に見れば,菅下氏の表現を借りれば,「曲がり屋」なのである。小泉退陣以外株価的には救われないわけだ。ところがこんな政権にも支持がある。圧倒的に多くの経済人は支持していない。そのかっこよさに,目をくらまされて,なお支持する向きが多いようだ。これでは救われない。間違いなく,証券市場は救われない。


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