singersong professor KMの日記

2002年07月11日(木) NY9千ドル割れ

 雑感ですが,掲示板では読みづらいので,こちらに書き直しておきます。

 NY9千ドル割れ,の記事を読んで,いよいよアメリカの株価下落が本格化してきたという感を深める。会計不信もある。日本もバブル崩壊後1年半後に証券不祥事で揺れたが,NYもネットバブル崩壊後1年半で,エンロン事件発覚。テロ対策で紛れていたが,戦争が一段落したら,会計不信が広まったようだ。

 会計が問題なのか,それがスケープゴートにされているのか。おそらく後者だろう。問題はそこにあるのではない。IPOやストック・オプションなどで一攫千金を狙える仕組み,現代的アメリカン・ドリームに内在している問題が,ここへ来て表面化してきたにしかすぎない。

 すでに,アメリカでも識者は警告を発していた。アラン・ケネディ「株主資本主義の誤算」(ダイヤモンド社)などがそれを指摘していた。ただ難しいのは,かなり構造的な問題を孕んでいる,という点だ。近年のアメリカが金融立国で成り立っているという点だ。

 たとえば,日本の投資家が3%の金利でドル債を買い,これを受け取ったアメリカの機関投資家,たとえばリップル・ウッドが日本で投資をして10%で運用して稼ぐ。こういう構図だ。日本だけではない。ヨーロッパからの投資もかなり大きかった。これがここしばらくユーロ安だった理由だ。ユーロは戻り,円も高くなってきている。

 もちろん,円高は日本にとって決して良いことではない。ということは,アメリカの株安・ドル安の効果は,日本にはマイナスとなる。アメリカの株安で,日本株投資に回って来ても,円高になる。どうもうまく行かない。日本がインフレ的になるより他に道がない。

 いったいどうすればよいのでしょうね。また,今回の株価下落をどう考えるべきなのでしょうね。


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