Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年05月12日(月) キムタク、生きテク、松本 人志 について



「 死に方ではなく、生き方が問題である 」

           サミュエル・ジョンソン ( イギリスの辞書編纂者、詩人 )

It matters not how a man dies, but how he lives.

                               Sarmuel Johnson



フジテレビ系列で新番組 『 CHANGE 』 の放送が開始された。

主演は キムタク ( 木村 拓也 ) で、今回も高視聴率が期待されている。


あまりTVドラマは観ないのだが、その理由は、番組の放映時間を気にして自分のスケジュールを組むのが面倒なだけで、興味がないわけではない。

かといって、録画したり、レンタルするのも面倒なので、面白そうな作品や、人に勧められた作品は、放映終了後に DVD を買って観ている。

すると、いつのまにか溜まってしまうので、二度と観ないだろう作品などは、友人が訪ねてきたりするときに、持ち帰ってもらうことにしている。

その結果、我が家には 「 忘れた頃に、もう一度観よう 」 と思う作品だけが滞留するわけだけれど、その多くが、キムタク の主演作品なのだ。

彼の演じる役柄は、パイロット だったり、検事だったり、レーサー だったり、ホッケー選手だったりするが、どれも同じような特徴を漂わせている。


その特徴とは、いづれも 「 実際に、その職業で、こんな奴はいない 」 というものだが、かといって、現実離れした違和感に辟易することもない。

いわゆる 「 ワンパターン 」 かもしれないが、どの役柄でも 「 彼らしさ 」 を演じ、「 この職業に、こんな奴がいてもいいな 」 と思わせる魅力がある。

たまたま時間が合ったので、今夜は第一回の放映を観たが、政治家という難しい役柄に挑戦しているせいか、従来よりは迫力に欠ける気もした。

あるいは、『 CHANGE 』 という題名通り、わざと最初は “ ぎこちなさ ” を演じておいて、徐々に “ らしさ ” を出していく戦法なのかもしれない。

いづれにせよ、物語の全貌を私が観るのは、しばらくして DVD が出た後になるだろうから、買うか、買わないか、評判を教えていただくと幸いである。


ネットの世界では、キムタク よりも 『 生きテク 』 というサイトが話題になっているらしく、私も、検索して覗いてみた。

これは、過去に自殺を思い止まった人々の体験談を集めたもので、一種の自殺防止サイトだが、「 生きるためのテクニック 」 が寄せられている。

主催者は、重度の 「 うつ病 」 を克服した方で、杉並区がバックアップしているようなので、ご当地の方なのかもしれない。

昔から十人十色というが、健常者に悪人も善人もいるのと同じで、一口に 「 うつ病患者 」 といっても、良い患者がいれば、悪い患者もいる。

公共の電波を通し、愚痴ばかりこぼして マイナス・オーラ だけを垂れ流す御仁もいれば、ご自分の体験を糧にして、世間に役立てる人もいるのだ。


自殺といえば、吉本興業 の 松本 人志 が、硫化水素ガスを用いた自殺者に、「 そんなアホが死んだら、俺はええけど 」 と “ 問題発言 ” をした。

この発言での 「 どこが問題か 」 は、人によって解釈が違うと思うけれど、私は、死にたい人が 「 死んでよい 」 という部分に、強い抵抗を感じる。

すべての生物にとって 「 進化 」 とは、本来 「 生きるための知恵 」 であるから、自殺者を 「 アホ 」 と呼ぶこと自体に問題はないと思う。

ただし、「 死にたいと思う 」 ことと、「 実際に自殺を試みる 」 ことの間には大きな差があるわけで、前者を 「 アホ 」 だとは思わない。

自殺したいほど辛い経験をした者に対しては、『 生きテク 』 のように活路を与えるべきで、「 死んでもいい 」 と暴言を吐くのは、死への誘引にあたる。


実際、大部分の人が、一度や二度は 「 死にたい 」 と思うほどの挫折感を味わいながら、それでも死なずに、頑張って生きているのが現実だ。

だから、ときには 「 死にたい 」 と思うのも無理はない話だが、ほとんどの人間は、勇気と理性をもって、生命の尊厳を保っている。

自殺した者の9割には何らかの精神疾患があり、これを止めることは困難だが、それ以外は、「 手を差し伸べれば止まる可能性が高い 」 のだ。

どれほど日本が自殺大国で、年間3万人以上の自殺者がいるといっても、「 一億人以上の国民が、自殺をしていない 」 ことこそ重要なのである。

これ以上、自殺者を増やさないため、自殺した者を、アホとか、犯罪者扱いすることは大いに賛成だが、悩んでいる人には、光を当てるべきだと思う。






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