Tonight 今夜の気分
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2008年05月08日(木) 硫化水素で死ぬ前に、これを読め



「 計画を怠ると、失敗を招く 」

                   エフィー・ジョーンズ ( アメリカの教育者 )

Failing to plan is a plan to fail.

                                   Effie Jones



十分な予備知識が無いのに、勢いで仕事をすると失敗しやすい。

世間の噂に翻弄される人などが、そういうタイプに多く見られる。


警察庁はこのほど、「 硫化水素 」 の製造や利用を誘引するようなネット上の書き込みを 「 有害情報 」 に指定し、一部、削除を要請することにした。

硫化水素による自殺は、第三者の健康を害す恐れがあり、傷害罪を誘因する情報だと判断したことが、その理由らしい。

そもそも 「 自殺 」 に 「 成功 」 も 「 失敗 」 も無いわけで、「 良い自殺 」 も 「 悪い自殺 」 も無く、自殺など、しないほうが正しいに決まっている。

わざわざ “ 死に方 ” を教える人間も馬鹿だが、それに従って、自分の命を粗末に捨てるのは、愚の骨頂としか言いようがない。

硫化水素に限らず、自殺の方法を指南した者と、自殺未遂を図った者を、すべて 「 犯罪者 」 として処罰し、生命の尊さを知らしめるべきである。


警察庁が、特に、硫化水素による自殺の拡大を阻止しようとする理由は、それが 「 第三者の健康を害し、命を失う恐れが極めて高い 」 からだ。

硫化水素は空気を 1 としたときに比重が 1.19 と重く、マンションなどの場合、配管などを伝わって階下へ伝わり、巻き添えが発生しやすい。

助けようと入った救急隊や警察官なども危険に晒されるし、濃度が下がるまでの間、しばらく近隣の住民は退去しなければならず、大迷惑である。

日本人は 「 判官びいき 」 の性向が強く、自殺を図る ヘタレ には寛容だが、他人を巻き添えにして殺すことも容赦するほど、けして甘くはない。

首吊り、列車への飛び込み、ガス中毒、いづれも、周囲の人間にとっては大迷惑だが、特に硫化水素の場合は、被害の拡大する懸念が大きい。


ちなみに、どうして 「 硫化水素による自殺が大流行 」 になったかというと、「 簡単に製造できて、キレイに、楽に死ねる 」 という噂によるものだ。

たしかに、サリンなどの有毒ガスを作るより簡単だが、「 キレイに死ねる 」、「 楽に死ねる 」 は、どう考えても “ 誤り ” のようである。

毒性は強いのだが、市販の洗剤を混ぜて発生する程度のガスで、首尾よく短時間で 「 即死するほど高濃度のガス 」 が発生するとは考えられない。

長時間に亘って悶え苦しみ、万が一、死に切れなかった場合、呼吸器系が損傷し酸素が脳にいかないため、脳に重い後遺症を残すことになる。

また、法医学の専門家によると、硫化水素で死んだ遺体は緑色に変色し、溺死体のような 「 見るに耐えない姿 」 になることが報告されている。


つまり、素人でも簡単に製造できるのは事実だが、「 キレイに死ねる 」、「 楽に死ねる 」 というのは、“ まったくの デマ ” なのである。

おそらくは、偽の情報をネットで流布し、自殺をする人間を苦しめてやろうとした者たちの 「 悪趣味な悪戯 」 であろう。

ちなみに、他の死に方が 「 キレイ 」 か 「 楽 」 かといえば、死んだ経験がないので判断し難いが、どれも “ ぞっとしない ” ようだ。

死亡すると括約筋が弛緩し、大小便を垂れ流した状態になり、死後硬直を経た後、腐敗ガスが体内に充満して、顔も身体もパンパンに膨張する。

死に瀕した病人と違って、自殺の場合、健康な肉体の細胞は 「 生きよう 」 と反撥するわけで、どうやっても、「 楽に 」、「 キレイに 」 は死ねない。






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