Tonight 今夜の気分
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2008年04月01日(火) ガソリン代 値下げの功罪



「 どんなことであれ、その結末を考えておくべきである 」

                 ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ ( フランスの詩人 )

In everything one must consider the end.

                            Jean de La Fontaine



私の使用する ガソリン は、月平均、およそ 200リットル というところだ。

20円 ぐらい下がっても、1ヶ月あたり 4000円 程度の違いである。


ガソリン税の暫定税率の期限が切れ、20円前後の値下げをする店が現れはじめ、安くなったガソリンを求める消費者が、GSに列をなしているという。

減税前に仕入れた在庫を安価で販売するために、店側の利益は薄いが、特に、他店との競合が激しい地域では、値下げせざるをえないのだろう。

一ヵ月後、税率が元に戻されるのか、このまま維持されるのかは微妙で、どちらというと値下げを喜ぶ人よりも、市場の混乱に不安を抱く人が多い。

民主党は、国民の利益を代弁したかのように勝ち誇るが、国民の大半は、さほど恩恵を享受したとは感じていない様子だ。

おそらく、ほとんどの人は、ガソリン代の値下げが無い代わりに、住民税を少し安くしてくれるとか、お米を安く買えるほうが、むしろ喜ばれるだろう。


少なくとも一ヶ月間は、ガソリンが安く買えるということで、車からポリタンクなどにガソリンを移し替えて 「 買いだめ 」 をする御仁もいるそうだ。

ガソリンをポリタンクで保管した場合、気化してキャップ部分から漏れ出し、静電気などで引火する可能性があるから、これは実に危険な行為である。

たかが一ヶ月間、ガソリンを安く買えたところで、庶民の懐が顕著に暖かくなるわけでもないのに、そんなことで火事にでもなると、目も当てられない。

自民党との話し合いを拒絶したことで、民主党は暫定税率の “ 一時的な ” 中断に成功したが、これで本当に良かったのだろうか。

本気で 「 国民のため 」 を思うなら、とことん協議することによって、永続的な撤廃、縮小に尽力すべきではなかったかと、私は思っている。


テレビの街頭インタビューでは、ガソリンの値下げを喜ぶ人々の声を報じていたが、総じて 「 今月の給油は多くなるだろう 」 と予測されている。

せっかくだから遠出をするとか、普段よりもガソリンを使う計画の人が多いようで、公共交通機関を使う予定だったのを、マイカーに変える人もいた。

おそらく、彼らの多くは 「 地球温暖化 」 の話題や、それに大きく関連する 「 CO2 の削減 」 に無関心でないと思うが、一体、これはどうしたことか。

マイバッグ、マイ箸を揃え、「 地球に優しい 」 顔をしながら、たった 20円 の値下げで、排出ガスを出しまくるという “ 変わり身 ” には驚いてしまう。

先日、「 省エネ のために、電気製品の使用は深夜12時までにすべき 」 と主張されたブログが、深夜2時過ぎに更新されていたのと同じで、笑える。


民主党は、国民を “ 愚民 ” 扱いしているのか、なにかと目先の利益を餌にして有権者の気をひこうとし、事実、それに乗っかる人もいる。

しかし、今回の騒動では 「 大人の対応 」 が出来ないことや、将来に向けての 「 長期的な展望 」 に欠ける部分が露呈し、一気に株を下げた。

冒頭の名言が示す通り、何をやるにせよ 「 その結末 」 を考えておかないと、有権者の信頼を裏切るばかりか、多大な損失を招く危険がある。

いくら立派な船を準備しても、目的や、海図や、磁石を持たずして出航した場合、遭難したり、座礁したりして、結局、どこにも辿りつけない。

けして自民党に肩入れするわけではないが、十分な政権交代能力を擁する第二政党としては、民主党に 「 その資質 」 を見出せないのが実態である。






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