Tonight 今夜の気分
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2008年03月24日(月) 土浦の連続殺傷犯



「 仮定とは危険なものである 」

                  アガサ・クリスティ ( イギリスの推理小説家 )

Assumptions are dangerous things.

                                 Agatha Christie



この時期、おかげさまで仕事は、猫の手も借りたいほどの忙しさである。

特に、東京へ出張する機会が多く、週の半分を過ごしている。


関東に住む人の多くが、三重県や奈良県の位置を正確に示せないように、関西人の多くは、概ね、東京周辺の群馬県、茨城県などの地理に疎い。

若い頃からずっと、出張の多い仕事をしてきた私も、たとえば、前橋や水戸などの県庁所在地は覚えているが、その他の土地の位置関係は曖昧だ。

茨城県の土浦は、20代前半に一度だけ出張したことと、東京に住んでいた頃、土浦出身の女性と短い交際をしたことぐらいしか印象にない。

数十年が過ぎ、当時に比べれば開発されたと思う ( 女性のほうじゃない ) が、記憶の中の土浦は、“ のどかな田園地帯 ” といったイメージが強い。

昔は無かった 「 つくばエクスプレス 」 も、土浦までの延伸構想があるようで、実際は、著しく発展する可能性を秘めた土地らしい。


その土浦で、「 8人連続殺傷 」 などという凄惨な事件が起き、県警による不手際に対する怒りも含め、ご当地では波紋が広がっているそうだ。

一昔前まで、この手の 「 劇場型犯罪 」 は、都市型の犯罪傾向だったはずだが、昨年の12月には、長崎県佐世保市で猟銃乱射事件も起きている。

不謹慎な喩えかもしれないが、都市ではなく田舎で 「 連続殺人鬼 」 が暴れ回るという構図は、映画の 『 八つ墓村 』 を連想させるものがある。

開発が進行したことで、都心のストレスが地方にまで蔓延したせいなのか、あるいは、たった一人の狂人による所為か、いまのところ真相は不明だ。

今回の犯人は、当初、「 母校である小学校 」 を襲う計画だったことから、大阪・池田小でおきた連続殺傷事件を真似たものだったかもしれない。


せっかく “ ある種の極端さ ” を発揮しうる能力をもって生まれてきたのに、自分の都合だけで他人の生活圏を執拗に侵害する者がいる。

早い話、公用禁止用語の キ○ガ○ という人種だが、そんな “ 極端さ ” を芸術の領域に活かすと大成することもあり、一概に悪いともいえない。

ただ、その特徴が犯罪という形で昇華すると、概ね悲惨な結末に至ることは必定で、正しい方向に導く責任は、彼らの 「 周囲 」 に委ねられるものだ。

もちろん警察にも、地域の治安を守る責務はあるが、いくら人員を投入しても、闇に潜み “ 誰でもいいから殺したい ” と企む輩は防ぎきれない。

通常、犯罪には 「 常人が理解可能な動機 」 が存在するものだし、犯人を捕獲する方法も、理屈の伴う “ 仮定 ” に基づいた計画が基礎となる。


つまり、狂気による犯行は、警察力をもってしても防ぎきれるものではなく、仮に捕らえたところで、責任能力が論議となり、ときに罰は下されない。

日頃、彼らが犯罪に至る予兆を敏感に察知しているのは、保護者、家族の類であり、実は、未然に抑止する 「 鍵 」 は、そこにこそある。

厳しいようだが、家族に 「 犯罪を起こす危険のある異常者 」 や、凶暴性を認識している場合、通報したり、身柄を拘束する仕組みが必要だ。

人権問題との絡みはあるが、社会秩序の安寧を保ち、彼らを加害者にしないためには、監督責任を 「 家族 」 に強く求める必要があるように思う。

時代の変化と共に 「 社会規範 」 が崩壊しつつある現在、すべての人権やプライバシーの保護を認める方策は、見直すべき時期にきている。






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