Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年03月20日(木) 日本は G7 に参加する資格なし



「 まったく、二人の人間が残りの人生を一緒に住むことなんて、

  ほとんど不自然だと言えることでしょう 」

                      ジェーン・フォンダ ( アメリカの女優 )

God, for two people to be able to live together for the rest of
their lives is almost unnatural.

                                   Jane Fonda



東洋思想には、「 不自然さは、人間からみてのこと 」 という考え方がある。

自然からみれば、不自然など存在しないという、一回り大きな概念だ。


冒頭の句は、60年代の進歩的なアメリカ女性を代表する ジェーン・フォンダ が、「 結婚 」 に対する既成の概念を否定したものとして知られている。

なんとなく、ある程度の年齢になれば結婚したほうがよいのだと、大部分の人は思うものだが、はたして、それは正しいことだろうか。

考え方の異なる他人同士が、協調を迫られながら生きることへの難しさを、彼女は 「 unnatural ( 自然の摂理に反する ) 」 という語句で主張した。

これは、結婚にかぎった話でなく、たとえば、政治体制についても言えることで、勢力の拮抗した二大政党による政局運営にも通じるだろう。

一党支配に比べると、お互いの欠点を補完し合う効果が期待できる反面、妥協点が見出せなかった場合には、結論が棚上げにされる危険も孕む。


日本銀行の総裁人事については、代々、慣例的に、旧大蔵省の出身者と日銀内部の生え抜きが、交互に任命されてきた。

普通ならば、次期総裁の最有力候補は、現在の副総裁であり、執行部の一員として金融政策にかかわってきた 武藤 敏郎 氏 で妥当なところだ。

そんな決め方でよいのかという議論もあるだろうが、国全体の金融政策において重要なのは 「 制度的枠組み 」 であって、総裁の力量ではない。

諸外国と比較すれば、総裁の裁量が大きいとされる日銀だが、かといって、さほど 「 個人的力量に依存しているわけではない 」 のが実情だ。

ところが現在は 「 ねじれ国会 」 の影響から、通常は重要視されない日銀総裁人事にまで野党が難癖をつけるようになり、彼の就任は見送られた。


特に個人的力量など重要ではなく、いわば 「 誰でもいい 」 ような日銀総裁だが、対外的に 「 空席 」 という事態は、どうも具合が悪い。

おりしも、アメリカの サブプライム・ローン問題 に端を発した急激な為替の変化や、世界的な金融不安に直面する現在、これでは体裁がつかない。

いまこそ、G7 ( 先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議 ) による話し合いが重要とされる局面で、日本は 「 責任者不在 」 となっているのだ。

深刻な事態に向き合い、先進諸国が協調し、問題解決に取り組もうという中で、国際世論から 「 日本は何をやってるんだ 」 と批判され始めている。

この問題について、国内では、政府・与党が悪いという声も少なくないが、欧米の見識者からは、「 野党の悪質さ 」 への指摘が圧倒的に多い。


過去に、民主党は 「 数の多さにモノをいわせて、横暴なことをするな 」 と、自民党政治に反撥し、国民の理解を求めてきたはずである。

ところが最近の政局をみると、「 数の多さ 」 で身勝手に横車を押し、重要な国益を損なう決議を採択しているのは、他ならぬ民主党による愚行だ。

金融政策については、ゼロ金利解除後も低金利にとどまっているが、少しづつ金融機関の健全性も回復し、金利機能が働く市場になりつつある。

せっかく前向きの循環メカニズムが作用し、頑健性が増してきたところで、景気退行につながる 「 マイナスの方策 」 ばかり、民主党は進めてきた。

多くの国民が彼らに期待し、与党に拮抗できる票数を与えた結果は、いまのところ惨憺たるもので、特に世界の金融市場からは白眼視されている。






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