Tonight 今夜の気分
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2006年11月07日(火) 履修不足のどこが悪いのか



「 世界で最高の教育は、名人が仕事をしているところを見ることだ 」

                           マイケル・ジャクソン ( 歌手 )

The greatest education in the world is watching the masters at work.

                                Michael Jackson



いい大学を出ているのに、まったく社会人として役に立たない人がいる。

その多くが、頭でっかちの 「 机上論 」 を信奉するタイプである。


マイケル・ジャクソン の語る名人 ( master ) とは、スティービー・ワンダーや、クインシー・ジョーンズや、ライオネル・リッチーのこと。

彼らは皆、音楽の英才教育を受けたわけでもないが、それぞれに師と仰ぐ先達の演奏を見聞きし、己の才能と感性を結実させていったのである。

逆に言うと、世界的な権威を誇る ○○音楽大学 など出たところで、彼らの千分の一たりとも CD が売れるわけではない。

音楽だろうと、科学だろうと、経営学だろうと、知識を 「 知っている 」 だけでは何の役にも立たず、僅かな知識でも活用してこそ価値がある。

学校で教えてくれるのは、せいぜい、基礎的な知識にとどまり、それを使える知識や、何かに役立てる知恵に変えるのは、自分の努力による。


私は集中力の乏しい学生で、勉強しながらも、たとえば教室の窓から遠くに望む風景や、大人たちの生活や、行き交う車に気が散るタイプだった。

しかしながら、意外と社会人生活に入ってみると、目の前のノートに集中していた生徒より、そういうタイプのほうが順応しやすいことがわかった。

特に、マーケティングや営業といった部門で働く人間の場合、一見、目の前の課題と関係ないようにみえる事柄にも、気を配る必要がある。

専門領域にだけ詳しくて、流行、社会現象、時事問題などに疎いようでは、満足な仕事ができず、信頼される人間関係を構築することも難しい。

ときに集中力も必要だが、自分を取り巻く環境をみつめ、与えられた役割を理解し、使命を果たす努力がなければ、「 使えない人間 」 となる。


そういう観点からみて、画一的な知識を与える場としての学校教育制度は、中学校までの授業で十分だと、私は思っている。

実際、東大や、それ以上の海外の大学、大学院を出た友人も、中学を出て徒弟制度で職人の道を歩んだ友人もいるが、どちらが優秀とはいえない。

知識が豊富なことと、頭が良いことが同義語ではないし、専門知識に長けていて、それ以外のことに無知な者と、多方面に博学な者も比べ難い。

脳の活動が盛んな若い時期に、勉強して知識を吸収することは大切だが、短い人生の、ほんの僅かな期間に、森羅万象を覚えることは不可能だ。

だから、誰にも共通する 「 生きていくのに不可欠な知識 」 を中学校までに教わり、それ以降は、より各人に必要な知識を専修することが理想的だ。


日本の教育界は、日教組という 「 悪意の集団 」 によって堕落したと思っているが、最近、問題の 「 履修不足 」 については、情状の余地がある。

必須科目とは名ばかりで、本当に各人にとって必須かどうかは疑わしいし、教師も、父兄も、必須ではないと思うからこそ、履修しなかったはずだ。

履修不足の発覚を恐れて自殺したアホもいるけれど、生徒のためと思って偏った教育を施したのなら、もっと自信をもって反論すべきだろう。

高校や大学は義務教育ではないし、そこを出たらすぐ、プロ として社会の競争に挑まなければならないのだから、即戦性をつける必要がある。

個性や自由を主張するくせに、義務教育を終えた人間にも 「 選択肢 」 を与えないという学校教育制度は、どうにも矛盾だらけのように思う。


最近の教師の質を鑑みても、中学校を卒業した 「 大人 」 に対して、到底、それ以上の何かを与えられるレベルにあるとは考え難い。

足し算や引き算以外に、彼らが教えれる事柄といえば、国旗、国歌を愚弄することや、組合に属して仕事を怠けることぐらいのものである。

ならば、将来的に就きたい職種の名人に同道して学ばせるとか、偏差値の高い大学を目指すため自習させるほうが、よほど生徒のためになる。

履修不足が云々の問題よりも、欧米の大学と就進学時期を合わせるとか、日本の教育界には改善すべき課題が、他に山積みになっているはずだ。

実に 「 くだらないこと 」 で慌てているとしか思えないが、履修不足を補おうとして、さらに、生徒の学習計画や、受験準備の妨げをしないように願う。






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