| 2006年11月01日(水) |
上海当世事情 〜 グルメ編 �� 中華 〜 |
「 空腹は最上のソースである 」
英語のことわざ
Hunger is the best sauce.
English proverb
中華料理と一口に言っても、地方によって様々な種類が存在する。
同じ料理でも、四川、山東、広東、上海、北京、湖南、台湾で、味は異なる。
我々が普段、日本で食べている中華の大半は 「 台湾料理 」 だそうで、そういえば台湾で中華料理を食べたとき、あまり違和感がなかった。
上海では、もちろん上海料理が主流だけれど、最近では広東料理店も人気があるし、少し探せば、それ以外の地方料理を楽しむこともできる。
個人的な嗜好としては、日本で馴染みのある台湾料理、辛めの四川料理、香港風の広東料理などが好みなのだが、一応、上海料理も食べに行った。
上海料理の調味料として多用されるのが 「 黒酢 」 で、おそらく、その匂いが苦手なために、あまり好きになれないのではないかと思う。
名物の 「 小籠包 ( しょおろんぽお = 肉まん ) 」 も、その他、餃子などの点心類も、大半が黒酢醤油を添えて運ばれてくる。
この季節に人気の 「 上海蟹 」 は、蟹味噌を溶いた黒酢醤油が添えられ、茹でた小ぶりの蟹を箸でほじりながら、多くのお客さんに楽しまれている。
川に生息する蟹なので、海の蟹に比べると小さくて脚肉などは食べにくく、量も少ないが、濃厚な蟹味噌が美味しいため、日本人にもファンが多い。
雑食性なので、甲羅の裏側にある菱形の胃と、両脇にある鰓 ( エラ ) は、雑菌に汚染されている危険があり、食べてはいけないとされている。
また、体を冷やす作用があるので、風邪をひいているとき、胃腸の調子が悪いときなどは、避けたほうが無難である。
日本で頼むよりは安いけれど、けっこう高価だし、さほど好きでもないので、今回の旅では食べる機会がなかった。
香港資本の広東料理店では、好物の 「 ハトシ ( 蝦多士 ) 」 を食べた。
ハトシ というのは、食パンの間に海老 ( 蝦 ) のすり身を挟んで揚げた料理で、同席したアメリカ人も 「 Shrimp toast 」 と注文し、喜んで食べていた。
この店のオリジナルだが、茄子に挽き肉を挟んで ハトシ風 に揚げ、細かく刻んだニンニクの揚げ玉をまぶした料理も、なかなかの絶品だった。
米は不味いので、ビール、紹興酒を飲みつつ、揚げ物、焼き物などを中心に食べ、最後に焼きそばを頼んで、お腹一杯になったところで帰る。
こんなことを二回も繰り返したので、また、ベルトを緩める羽目になった。
たぶん自分は、さほど中華料理が好きではないと思う。
けれども、お腹が空いたとき、気の置けない仲間が集まったとき、これから仲良くなりたい外国人同士が集まるとき、中華の円卓は効果を発揮する。
陽気なアメリカ人、商売上手な上海人、その様子に興味津々な私が、円卓を回しつつ互いの心情を探り合うのは、日本の 「 鍋 」 とは違う趣がある。
目の前の料理を回しながら、我々はそれぞれに地球を回しつつ、ぐるぐると小宇宙を漂っている感覚に浸り、過去と未来の話を交わした。
でも、ぐるぐると回ったのは、知らず知らずに量を増したアルコールによる酩酊のせいだと気づくのに、さほど時間は掛からなかったのである。
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