| 2006年10月21日(土) |
教室を爆破した中学生 |
「 都会の地ですくすく育つものといったら、税金くらいのものだ 」
チャールズ・D・ワーナー ( イギリスの作家 )
The thing generally raised on city land is taxes.
Charles Dudley Warner
田園地帯では農作物がすくすく育ち、都会では税金がすくすく育つ。
都会ですくすく育つものといったら、他に 「 ストレス 」 がある。
中国、雲南省北東部の昭通市にある中学校で、3年生の男子生徒が女子生徒を刺した後、爆弾を爆発させて自殺するという事件が起きた。
まず包丁で女子生徒 ( 24ヶ所を刺されて死亡 ) に切りつけ、居合わせた他の生徒が制止しようとしたところ、腰に巻いた爆弾を作動させた。
事件前、友人に 「 勉強が嫌になったので、何人か殺して死にたい 」 と語っており、計画的な犯行であったことが認められている。
刺された女子生徒に対しては、以前、目が悪いので座席を替わって欲しいと頼んだが断られ、その恨みがあったのではないかと推定されている。
爆弾は実家に保管されていたもので、犯行前、爆破練習もしていたらしい。
亡くなった女子生徒の遺族は、教育当局の対応に不満を感じている。
面会に訪れた担当者は、「 もし教育現場に問題があるとお考えなら、訴訟でもしたらいかがですか 」 と無責任な発言をしたという。
どこの国も、教育関係者の荒廃は似たり寄ったりだが、中国の場合、腐敗した役人の横暴ぶりが目に余ることも周知の事実である。
マスコミが検閲を受けることもなく、こういった問題を取り上げられるだけ、まだ日本のほうがマシだが、まだまだ報道されていない教育の闇がある。
犠牲になるのは子供たちで、大人を信じられないまま、彼らも大人になり、不正と不誠実が当たり前の世の中になっていくのは恐ろしい現実だ。
上海の精神病患者が70年代の5倍になっていることからみても、経済成長に伴う急速な都会化は、ストレスを増大させ、多くの人の心を蝕む。
そこで正気を失うのは、中年のビジネスマンや、教師や、役人だけでなく、たとえば、子供に関しても例外ではない。
また、憲法や法律など、規則とされるものの大半は 「 そんなことをするわけがない 」 という性善説に基づいてつくられていることも事実だ。
だから、隣国が核武装したり、子供が同級生を刺殺したり、教室が爆破されたりしたときに、現行の法や制度だけでは対処しきれない。
もちろん、どんな状況においても、自分を律し、常軌を逸しない者が大半を占めるのだが、全体の何割かは気が狂ったり、悪事に走るものである。
1970年、私が10歳の頃、大阪で万博が開催され、幼い私にはその意味が理解できていなかったが、テーマは 「 人類の進歩と調和 」 であった。
文明の進化と発展が、人類の 「 進歩 」 と認められるためには、発展する以前の人間らしさなど、過去の財産を阻害するものであってはならない。
また、新しい波に乗り遅れた者、潮流に押し流されて漂流する国家との 「 調和 」 を、どのような形ではかるのかが、重要な課題となる。
都会で心に傷を負った者を、人権にかこつけて偽善的に甘やかせるのではなく、休ませる、隔離する、再教育することも、措置として必要だろう。
大人には 「 精神科医 」 が、子供には 「 教育者 」 が、その任にあたるのが妥当だが、日中とも、教育者の資質が低下していて困難になっている。
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