| 2006年09月16日(土) |
麻原彰晃 と 植草一秀 |
「 世界は非情である。
無価値な人間、みずから無価値になる人間が生きられる場所はない 」
V・S・ナイポール ( イギリスの作家 )
The World is what it is ; men who are nothing, who allow themselves to become nothing, have no place in it.
V.S.Naipaul
先天的に、最初から 「 無価値な人間 」 がいるとは思わない。
人並みの努力を怠り、「 みずから無価値になる人間 」 がいるだけだ。
世間を震撼させた 「 オウム真理教 」 の 麻原彰晃 こと 松本智津夫 被告 について、最高裁は東京高裁決定を支持し、事実上、死刑が確定した。
熊本の畳職人の家で生まれた彼は、隻眼であるために、6歳から20歳までを寄宿制の 熊本県立盲学校 で過ごし、そこで鍼灸術を学んだという。
同校を卒業後、東京大学文科一類 を目指したが、受験に失敗する。
その後、鍼灸院や薬局の経営を行ったが、傷害事件で罰金刑を受けたり、保険料の不正請求が発覚したり、薬事法違反で逮捕されたりしている。
1984年、渋谷区内で ヨガ の道場 「 オウムの会 」 を結成し、86年には 「 オウム真理教 」 と改称、95年の逮捕まで、非道の限りを尽くした。
報道番組の論客として人気のあった 植草一秀 は、早稲田大大学院教授を務めていた04年4月、東京都迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。
JR 品川駅の構内で、女子高生のスカートの中を手鏡でのぞこうとしたとの罪状で、彼は否認しつつも、罰金50万円を支払い、控訴もしていない。
98年にも、痴漢行為で神奈川県迷惑防止条例違反により逮捕された前科があったのだが、当時は無名だったので、あまり話題にならなかった。
今年の4月からは、名古屋商科大大学院 で教壇に復帰していたのだが、先日、列車内で女子高生に痴漢行為をし、現行犯で逮捕された。
過去の2件は罰金刑だったが、今度は 「 実刑 」 となる可能性もある。
この 二人 には、「 東京大学を受験 」 したという共通点がある。
麻原は失敗したが、植草は合格し経済学士を取得、卒業後は 野村総合研究所に入社、大蔵省、京大、スタンフォード大の研究員などを経験した。
逮捕時の役付が 「 教祖 」 と 「 教授 」 だったというのも、なんとなく語感的に似ていて面白いが、二人とも 「 前科があった 」 という共通点もある。
逮捕される直前、片方は 「 ペテン師 」 と呼ばれ、もう片方は 「 エリート 」 と呼ばれていたが、いまでは二人とも 「 悪質な常習犯 」 と呼ばれる。
まさに、「 みずから無価値になる人間 」 の典型的な例であろう。
人間の価値は、「 どんな知識を持ち、どんな能力があるか 」 ではなく、どのような姿勢で、人生を 「 どう生きるか 」 によって決まる。
いくら口先で立派なことを言っても、自分の能力の高さを吹聴しても、それを社会のために役立てもせず、空回りさせていては意味がない。
そういう 「 無価値な人 」 は、案外、我々の身近なところにもいる。
たとえば、「 他人より有能である 」 と自画自賛しながら、頻繁に会社を休んだり、「 人並みに当たり前のことができない 」 というビジネスマンも多い。
麻原のように、植草は 「 死刑 」 を求刑されはしないが、表舞台に居場所を失ったことに変わりはなく、すべて 「 自業自得 」 であることも間違いない。
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