| 2006年09月10日(日) |
続発する公務員の飲酒運転による事故 |
「 成功した企業は、きまって誰かが、かつて勇気ある決断をした 」
ピーター・F・ドラッカー ( アメリカの経済学者、経済コンサルタント )
Whenever you see a successful business, someone once made a courageous decision.
Peter F.Drucker
同じ問題が慢性的に解決できない組織と、そうでない組織がある。
解決できない組織は、トップが優柔不断で、決断力に乏しいケースが多い。
組織の構成員 ( 会社でいえば、その従業員 ) が犯罪や、交通違反をした場合、過去においてそれは、すべて 「 個人の責任 」 だと認識されてきた。
たしかに、その人間以外は法規を遵守し、真面目に働いていたとすれば、組織そのものに問題はないのかもしれない。
しかし、その組織の人間が、共通して、同じ種類の犯罪に数多く走っている場合は、組織の環境や、指導、教育に問題があるとも考えられる。
セクハラで企業そのものが訴えられたり、職場ストレスによるうつ病が労災認定されるようになった背景にも、その考え方が大きく影響している。
もちろん、「 一番悪いのは当事者 」 なのだが、組織の長には、それを構成する各人が、健全で、社会倫理に反さぬよう、指導、教育する義務がある。
福岡では、市職員による飲酒追突事故で、幼児3名の命が失われるという悲惨な事故があって間もないが、今度は、県職員の不祥事が発生した。
職場旅行に出かけ泥酔した職員が、鍵の開いていた旅館客室に侵入し、一人で寝ていた女性会社員を押さえつけ、婦女暴行未遂で逮捕された。
事件の後、県総務部長は、「 日頃から節度ある行動を注意喚起してきたのに申し訳ない 」 とコメントしているが、これは謝罪文としておかしい。
前半の 「 注意喚起してきた 」 に含まれる “ 注意はしてきたので自分は悪くない ” という言い訳が、後半の 「 申し訳ない 」 に、つながらないからだ。
このように、「 とりあえず謝ってはおくけど、組織としてやるべきことはやってるよ 」 という反省のなさが、不祥事を連続させる病巣ではないだろうか。
福岡以外でも、9日には姫路市職員が酒気帯び運転で歩行者に意識不明の重体を負わせ、大分市職員は3日、酩酊で街路樹に激突し逃走した。
青森では8日、消防士が飲酒運転で乗用車に衝突し、逃走後に逮捕され、宮城では9日、飲酒検問で 「 3軒をハシゴ 」 した消防士が逮捕された。
今後、彼らは 「 ハシゴ者 」 と呼ばれても、「 ハシゴ車 」 には乗れない。
これだけ公務員の飲酒運転、飲酒事故が相次いでいる中、それが誰の目にも 「 しでかした本人の問題 」 では済まされないことは明らかだ。
組織内の倫理風土、管理体制に問題があるとみて、ほぼ間違いないと思われるが、では、どのように改善するのが適切であろうか。
ちなみに、昨年度 ( 2005年度 ) だけで、なんと 2251人 もの公務員が、道路交通法違反で 「 懲戒処分 」 を受けている。
あくまでも 「 懲戒処分 」 を受けた人数であって、穏便に隠蔽されたり、軽い注意で済まされた ケース などは、もちろん含まれていない。
また、本来は子供たちに交通安全を説くべきはずの教職員も、ここ4年間で 466人 が道路交通法違反 ( 大半が飲酒 ) で、懲戒処分となっている。
北海道、岩手、福島などでは、役所勤めの公務員より、その数は多い。
その理由として、市役所などが駅前にあることに対し、学校は郊外に多く、マイカー通勤が多いためだというが、何の言い訳にもなっていない。
一般人と同じく、公務員や教職員が車を運転しても、酒を飲んでも構わないが、やはり一般人と同じく、飲酒運転をしてよいはずがない。
ましてや彼らは、「 できるかぎり、あらゆる面において、市民の模範となるべき立場 」 であることが、理想論ではなく、実際に求められている。
それに反し、これだけ多くの法令違反者が出る背景には、断固とした処罰の徹底と、不心得者を粛清する姿勢が足りないのではないか。
福岡の事故で亡くなった三人の幼児の通夜には、市長や市の幹部が弔問に訪れ、頭を下げ 「 ( 加害者の ) 懲戒免職を検討する 」 と陳謝した。
普通の会社なら 「 検討する 」 ではなく、即刻 「 クビ 」 であって、このように職員の管理体制が甘いから、違反者がたえないのではないだろうか。
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