| 2006年09月03日(日) |
クラシックの流れる家庭は要注意 |
「 子供は最初、親を愛するが、しばらくすると親を裁き、
許すことはまずめったにない 」
オスカー・ワイルド ( イギリスの詩人、小説家、劇作家 )
Children begin by loving their parents ; rarely, if ever, do they forgive them.
Oscar Wilde
子供の成長を見守るのは楽しいが、やがてその子供も大人になる。
その過程には、親を裁き、あるいは憎み、軽蔑する時期もあるだろう。
これは、親にしてみれば ショック かもしれないが、そうでなければ親離れができないのも事実で、むしろ 「 健全な状態 」 だともいえる。
親というものは、育ててくれた人として感謝すべき存在なのかもしれないが、ある意味、育てるのは当然の義務だし、本能でもある。
子供にしてみれば、さまざまな欲求を束縛されることのほうが腹立たしくて、法律上は許された自由を、親によって制止させられる場合はなおさらだ。
だから、子供に嫌われたくなかったら、なるべく親は自分の考えを押し付けたり、自分の果たせなかった夢を代行させようとしないほうがよい。
嫌われる程度ならマシだが、最悪の場合は事件にまで発展する。
親が子供を虐待死させる事件よりは少ないかもしれないが、最近、子供が親を殺す事件が各地で発生し、社会を震撼させている。
特に、北海道の稚内で起きた事件は、友人に 「 30万円の報酬 」 を渡して殺人を依頼するという、前代未聞の 「 計画性 」 が発覚し、驚かされた。
親殺しで、他人を巻き込んで共犯にするという例は、極めて少ない。
なぜならば、他人には理解し難い各家庭の問題や、個人的な悩み、憎しみなどが殺害の動機であることが多いからだろう。
今回は、殺害に関与した友人も、同じような境遇だったということだが、その友人は自分の親を殺していないわけで、100%共感していたともいえない。
親が離婚し、その後、父親が自殺していたとか、お金に困っていたというのも、最近では珍しいパターンである。
どちらかというと、家庭が裕福で、はた目には恵まれた境遇で育ったと思われる子供のほうが、家庭内殺人を引き起こす率は高い。
経済的に貧しく、家族が身を寄せ合って生きていかなければならない家庭では、親子の間で、比較的に愛情が成立しやすいものだ。
生活に追われ、必死で働いている親を目にすると、生きていくということのたいへんさを実感できるし、親の苦労も理解しやすい。
逆に、物があり余り、子供からみて 「 生きているのは当然だ 」 と思うような満たされた家庭では、親の苦労や、ありがたみが、わかり難いようである。
5月から6月にかけて、「 子供が自宅に火を放つ 」 という事件が連続したけれど、親の職業をみると、開業医や、所得の高い家庭が多かった。
放火に至った動機で数多く共通していたのは、「 親の決めた進路に対する反撥 」 や、「 親のしつけが厳しい 」 などの点である。
同じ DNA を受け継いでいるからといっても、子供が親と同じ道を進むとはかぎらないし、能力、資質が同程度ともかぎらない。
また、新聞などでは報道されていないが、当時、TV の ワイドショー などで放送され、気になった点は、それぞれの親がもつ 「 趣味 」 の共通点だ。
大抵が 「 クラシック音楽 」 を好み、子供がロックやポップスに興味を持っても否定し、音楽的嗜好までもを 「 子供に強要 」 していたという。
歴史的な名曲は、長年に亘って人々に愛され、支持され続けてきたのだから、クラシック音楽を愛でることは、もちろん、悪い趣味ではない。
しかしながら、クラシック音楽だけを 「 偏重 」 する人は、心理学的にみると 「 権威主義 」 的であることが多く、「 プライド高い 」 という傾向もある。
当世の大衆に人気があっても、伝統と権威に裏付けられたものしか認めず、伝統崇拝、権威崇拝の気質は、音楽以外の部分にも多くみられる。
そういう親が、子供の自主的な価値観や、倫理観を否定し、古い 「 常識 」 や、己の思いを子供に押し付けたならば、それは悲劇の一因になり得る。
子供の正しい成長を願う親心は理解できるが、趣味や、嗜好の部分にまで干渉するのは、単なる 「 親のエゴ 」 と言われても仕方がない。
私自身は両親を尊敬しているが、それは 「 育ててくれた親だから 」 というよりは、「 一人の人間として尊敬できるから 」 という理由のほうが正しい。
また、アメリカには別れた妻との間にできた娘が住んでいるけれど、たまに会うと、「 TAKAは、ここが悪い、ここは良い 」 などと裁かれる。
親子が人間同士として相手を評価するという性格は、どうやら引き継がれているらしいが、それでよいのではないかと思っている。
母親が再婚したことも、「 私には2人のパパがいるので得 」 という合理的な解釈をする陽気な娘で、どちらの 「 パパ 」 にも手に負えないようだ。
ちなみに、元奥さん、現旦那さん、娘、私の四人は、不思議と気が合うので、一緒に食事したりするのだが、常に話の主導権は、娘が握っている。
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