「 旅は、若者にとっては一種の教育であり、年配者にとっては
一種の経験である 」
フランシス・ベイコン ( イギリスの哲学者、政治家、文人 )
Travel, in the younger sort, is a part of education : in the elder, a part of experience.
Francis Bacon
未見の地に旅して、若者は、人生についての知識を深めることができる。
老人は、自分の人生だけが唯一の人生ではなかったことに、気づくだろう。
昔から、「 百聞は一見にしかず 」 などとも言うが、いくら世界地図を広げて思索を巡らせたところで、現地に行ってみないと、わからないこともある。
また、最初に宇宙飛行をした ガがーリン が、「 地球は青かった 」 と呟いたように、離れて眺めることで、故郷を知ることもあるだろう。
生まれ育った郷里を愛するのも大事だが、他所を知らずに、その価値など語れるはずもなく、本当の良さを実感することは難しい。
できれば、ただ旅するだけではなく、その地の歴史風土、文化、思想、芸術などに触れる機会を積極的に求め、収穫のある旅にすることが望ましい。
生涯を 「 井の中の蛙 」 で過ごすよりは、多くを学ぶことになるだろう。
ORICON STYLE という所が、『 海外旅行に行ってみて、良かった国 』 というテーマで、海外旅行経験者にリサーチを施した。
その結果、中・高校生、専門・大学生、20代社会人、30代、40代、女性、男性の各カテゴリー全てで、「 アメリカ 」 が1位に選ばれた。
与党の政策や、あるいは小泉総理を 「 アメリカ寄りではないか 」 と批判する人もいるが、調査結果から 「 国民の大半もアメリカが好き 」 なようだ。
そういう意味では、アメリカ寄りだと言われようが、アメリカびいきだと批判をされようが、それは 「 国民の総意 」 に反していない。
もちろん、「 アメリカが一番 」 と回答した中には、「 ハワイ 」 しか行ったことのない人なども含まれるだろうが、印象が良かったことには間違いない。
だいたい、小泉総理に対して執拗な批判を繰り返す人は、アメリカが嫌いであり、ついでに言うと、活躍中のアイドルや、スポーツ選手などを嫌う。
それらの対象の共通点は、「 人気がある 」 という部分だ。
いくら複雑で難解な理論を並べ立てても、結局は、人々から愛される存在に対する妬みや、嫌がらせを、理由をこじ付けて正当化しているだけだ。
大半の日本人が、アメリカという国に対して好意的な印象を持っていることは明らかなのに、政策的に対立したり、反撥する必要はない。
ところが、「 国民感情や便益を犠牲にし、アメリカに逆らいましょう 」 などとわめき立てるのは、利己的な 「 人気者への劣等感 」 でしかないのだ。
なんだかんだ言っても、日本人はアメリカが好きだし、「 アメリカが嫌い 」 と罵る御仁こそ、実は、大のアメリカ好きなのかもしれない。
世界の盟主的な態度のデカさや、強大国ぶり、人気度には妬みを感じるが、彼らの啓蒙する自由や、奔放で個人主義的な生き方は甘受したい。
そのように、「 自分にとって都合の良い部分だけは取り入れ、それ以外には難癖をつける 」 という、自己愛性まるだしの自分勝手な思考である。
現代社会の病巣には、心が歪んで、脳に異常をきたし、根拠のないプライドだけは人一倍強いというタイプが増えており、それが反映されている。
前述の調査結果についても、「 国民の大半は無知だから 」 と統計を否定し、あくまでも 「 自分以外はバカ 」 という考えを改めようとはしない。
そういう人こそ、「 本当のアメリカ 」 を知ってもらいたいと思う。
多民族の共生を維持する手段として、不自然なほど 「 愛国心 」 を旗印に結束しつつ、一方では対照的に 「 利己主義発想 」 が捨てきれない。
また、自由と正義をこのうえなく愛しながら、どんな事件でも腕力で解決しようとする 「 悪意のない、愚鈍で稚拙な直線思考 」 が、そのベースにある。
単純で複雑、大胆で繊細、といったふうに、現地の生活を体験せず、起きた事柄だけで判断をすると見誤る気質が、そこにはあるのだ。
アメリカにかぎらず、どこの国も 「 百聞は一見にしかず 」 であって、住みもしないで批判しても、経験者からみれば 「 的外れ 」 なのである。
|