「 テレビを観るべきか、観ざるべきか、それが問題だ 」
英語のジョーク
TV, or not TV : that is the question.
English joke
これは、シェイクスピア 『 ハムレット 』 の台詞をもじったパロディである。
元 は 「 To be, or not to be 〜( 生きるべきか、死ぬべきか 〜 ) 」 だ。
日本でいう 「 駄洒落 」 みたいなものだが、なんとも意味深で機知に富んでおり、「 To be 」 と 「 TV 」 の発音が似ているところも、さらに面白い。
このギャグを最初に考案した人は、たぶん、TV の面白さ、楽しさ、便利さを認めながらも、一部の放送内容に疑問を感じたのではないかと思う。
私は、あまり TV を観ないほうだと思うが、それでも、一年を通して、一日に一回も TV を点けない日など、ほとんど無いだろう。
それだけ TV は国民生活に密着し、深く浸透している。
好むと好まざるにかかわらず、ほぼ全国民が、情報を受信したり、手軽な娯楽の手段として、TV を活用しているのだ。
毎年、この時期になると、日本テレビは 『 24時間 TV 』 という番組の制作を恒例にしており、今年は歴代2位の視聴率を挙げたという。
弱者、障害者にスポットを当てた内容の編成が中心で、番組を通じて寄付を呼びかけたり、チャリティ的な要素を強く打ち出しているのが特徴だ。
個人的には、慈善的な活動というものは、誰にも知られず ( 知らせず )、自分の胸の中におさめ、ひそかに行うことが望ましいと思っている。
TV という影響力の大きい媒体を通して、寄付を募る方法が間違っているとは思わないが、あまり 「 オープンにし過ぎる 」 ことには疑問がある。
ことさらに、「 寄付してね 」 とか、「 僕は寄付したよ 」 なんて、人に強要したり、自慢げに主張するスタイルには、ちょっと抵抗を感じてしまうのだ。
この番組では、視聴率を稼ぐためか、毎回 「 目玉企画 」 として、著名人、芸能人などを起用して、長距離走をさせることも恒例になっている。
私自身は観ていないのだが、今年は、沿道で声援し、ランナーに触れようとした観客が、スタッフに恫喝される 「 アクシデント 」 があったらしい。
問題の地点は、特に交通規制も敷かれておらず、ランナーは 道幅 1,8m の歩道を走るため、一般の歩行者が容易に接触できる状態にあった。
番組制作側の抗弁としては、この観客に対し、再三、触れないように注意したにもかかわらず、触れてしまったので、思わず強く咎めたのだという。
不測の事態に、思わず声を荒げて注意してしまったことを反省し、謝罪するコメントが発表されているようだ。
生放送のため、この模様は全国に放映され、放送直後からインターネットで大量の書き込みが発生するなど、かなり大騒ぎになったらしい。
大半は、局側の 「 配慮に欠けた制作姿勢 」 などに関する批難に集中しており、番組のテーマである 「 愛 」 や 「 いたわり 」 に反する評価となった。
日本語の四字熟語には 「 美辞麗句 」 という言葉があり、意味は 「 大げさに美しく飾り立て、真実味や誠意に欠ける言葉や表現のこと 」 である。
英語にも、「 ( a string of ) flowery expressions 」 という表現があり、大仰な題目を唱えながら、実態が伴わない場合は批難される。
一部の不心得者がいたからといって、全体が悪いとは言えないが、このような行為がクローズアップされると、どうしてもそういった印象を与えやすい。
走路については、一般の視聴者に公開されていないのだが、毎年、武道館がゴールになっているので、結局は同じようなルートになるらしい。
一説では、武道館近くにあるルート上の商店主が、「 今年の走者は、例年よりも元気で、約一時間も早く通過した 」 との談を語ったという。
ところが、武道館に入ってゴールしたのは、例年と変わらない 「 フィナーレ直前 」 の時刻で、商店主は不思議に感じたそうである。
ある程度、TV の伝える感動には、「 やらせ 」 ではないが 「 演出 」 はあることも仕方ないのだろうが、すぐに 「 ボロが出る 」 ようではみっともない。
ちなみに、英語で 「 ボロが出る 」 は、よく 「 ( to ) expose one's faults 」 か、「 faults 」 の代わりに 「 ignorance 」 を用いた表現を使うことが多い。
前回の日記にも書いたが、WEB日記で偉そうなことを語るよりも、普段の仕事のほうが重要なように、「 言葉よりも行動が大事 」 なのである。
TV を通じて視聴者に 「 愛 」 や 「 いたわり 」 を説くならば、まず、その前に、製作者側の各人が、その精神を行動で示さねばならない。
逆に、視聴者側に慈善を求める際には、「 行動 」 ではなく、それぞれの 「 心 」 に訴えることが大切で、単なる パフォーマンス では意味が薄い。
けして、偽善的だとか、商業主義的だと批判するつもりはなく、むしろ、もう少し内容を改善して、さらに良い番組づくりを目指してもらいたいと思う。
番組のテーマである 『 愛は地球を救う 』 という発想は素晴らしく、思想に釣り合った中身の番組にする努力を、番組関係者には期待している。
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