Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2006年08月29日(火) 本業を疎かにするべからず



「 簡単なことを完璧にやった人たちだけが、難しいことを

  たやすくやる能力を身につける 」

       フリードリヒ・フォン・シラー ( ドイツの歴史家、劇作家、詩人 )

Only those who have to do simple things perfectly will acquire
the skill to do difficult things easily.

                            Friedrich von Schiller



研究者や職人の中には、世間の流行などに無頓着な人が多い。

雑音を気にせず、好きなことや、専門領域に没頭したい表れだろうか。


知り合いの社長さんに、とても中国で顔の広い人がいる。

その豊富な人脈を活用すれば、貿易でも、飲食業でも、不動産でも、どんな商売をしても成功するはずなのだが、本人には、まるでその気がない。

親父さんの代から継承する小さな商売を、コツコツと続けるだけだ。

多くの人々が、私と同じように 「 せっかくの人脈がもったいない 」 と思っているようで、しょっちゅう、経営の多角化を進言するらしい。

それでも彼は、悠然と、他の事業には一切、手を出さない。


その社長さんいわく、「 自分が最も得意なもの、他人には絶対に負けない自信があるものをやるのが プロ 」 なんだそうである。

また、「 専業の分野に関しても、数十年続けてきたが、まだ完璧ではない 」 とのことで、得意分野も極めていないのに、他のことはできないという。

こういう哲学を持った社長さんのいる企業は強く、急激な成長は期待できないかもしれないが、逆風に晒されても経営が破綻しないものである。

実際、同業他社が続々と、破綻、廃業してゆく中で、この企業は根強く耐え抜き、ゆったりとではあるが、業績を伸ばし続けている。

バブルの頃、「 きつねうどん 」 しか奢ってくれなかったが、景気の悪い今ごろでも 「 きつねうどん 」 を奢ってくれる。


小泉総理を指し、「 郵政民営化以外に、何も目立った業績がない 」 などと揶揄する人もいるが、あれこれ提示して何もできないよりはいいだろう。

特に政治家の場合、数多くの口約を掲げる人にかぎって、結局は何もできないということが多く、中途半端な結末に陥りやすい。

かぎられた任期の中で、強固な意思をもって本気で取り組み、何かをやり遂げようとするならば、さほど多くの計画は達せられないだろう。

しかも、目的に向かって努力する最中に、諸外国から牽制されたり、国土が天災に見舞われたりして、しばしば中断を余儀なくされる。

目の前に山積する問題を片付けながら、並行して自分の描いた青写真を実現しなければならないのだから、何もかもは処理しきれない。


今月は、ほとんど休まずに日記を更新したが、仕事が忙しくなったり、長期旅行に出かけたりすると、何日も書かない日が続く。

更新を楽しみにしていただいている読者 ( ごく、少数ですが ) の皆様には申し訳ないが、私にとってこの日記は、さほど重要なものでもない。

普段の仕事や、友達との交流や、たまに 「 恋人と別れたばかりの美人 」 を紹介してもらうことのほうが、私にとっては、この日記よりも重要である。

だから、仕事を休んでまで日記を書いたり、日記のために私生活を犠牲にしたり、そこまでして書こうとは思わないのが実情で、それが普通だと思う。

逆にいうと、「 本業を疎かにするようでは、いくら立派なことを日記に書こうとも、説得力がない 」 のではないかと思っている。


エンピツ日記の 「 新着 」 という欄などをみると、その日記が、何時何分に更新されたのかがわかる仕組みになっている。

私は自営なので、暇さえあれば昼間や、早朝に更新することも可能なのだが、表題を 『 今夜の気分 』 としているので、深夜に更新することも多い。

もし自分が普通の勤め人なら、そういうわけにはいかないだろう。

眠らなくても平気な超人か、昼寝していても、出勤しなくても、秘書が何でもやってくれるような大人物でないと、満足な仕事はできない。

本業という 「 簡単なこと 」 を疎かにして、天下国家の問題を云々するのは本末転倒であり、いくら難しい言葉を羅列しても、主張は伝わらない。

体調を万全に整え、まずは 「 自分自身の仕事を一生懸命にやる 」 という、ごく当たり前のことを完璧にこなしてから、余裕があれば日記でも書く。


プロの物書きと違って、素人日記の作者は 「 それぞれの本業を疎かにはせず、立派にやりこなして、余暇で書く 」 ことが理想の姿だろう。

そうしていると、他人のあら探しばかりでなく、自分の苦労から、他人の失敗に対しても寛容に受け止める姿勢が生まれる。

何事にも杓子定規に理屈をつけ、重箱の隅をつつくようなスタイルは、野党やマスコミに任せておけばいいのであって、素人のやることではない。

先日、「 時事日記を書き始めたい 」 という学生さんからメールをいただき、「 何を取り上げたらいいか 」 というアドバイスを求められた。

適切かどうかわからないが、「 まず本業 ( 学業 & 学生生活 ) をしっかりやって、暇つぶしに、日常感じたことでも書けばどうか 」 と答えておいた。






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