「 狐にガチョウの番をさせる 」
イギリスの格言
He sets the fox to keep the geese.
English proverb
日本とイギリスは、なぜか文化的に共通する部分が多い。
冒頭の格言は、日本の 「 猫に鰹節 」 に近い。
意味としては、信頼すべきでないものを信頼する愚行を戒めた言葉であり、日本版の 「 猫 」 が 「 狐 」 に、「 鰹節 」 が 「 ガチョウ 」 に相当する。
狐 ( fox ) を題材にした格言は、日英両国ともに多いのだが、イギリスでは 「 ずる賢い、狡猾な 」 といった悪いイメージで用いられている。
日本でも、くせ者同士のことを 「 狐と狸 」 と言うように、やはり狐という動物の印象は、あまり良いイメージではない。
しかし、アメリカ人にとっては、「 fox 」 に対して抱く連想が日英よりも良くて、「 a clever animal 」 と評価されることが多いようだ。
また、美女 ( 特に、肉体的な ) を 「 a fox 」 とか、「 a foxy girl 」 と呼ぶ。
良い人間がいれば、悪い人間もいるのと同じように、本来、同じ種類の動物でも、良いものと悪いものが存在するはずである。
ところが、動物の場合には、その動物に対する好き嫌いで多少の個人差はあるものの、その動物から連想されるイメージは、ほぼ共通している。
また、歴史、文化、宗教の違いからか、国や民族によって、違うことがある。
豚 ( pig ) は英米ともに、「 selfish ( 利己的な ) 」、「 obstinate ( 頑固な ) 」、「 dirty ( 汚い ) 」 というイメージが強い。
アメリカでは警官に対する蔑称として pig をよく使い、“ You dirty pig! ” は一般的な悪口だが、日本でも 「 このメス豚が! 」 なんて使う人がいる。
ライオン ( lion ) は、ほぼ全世界的に 「 bravery ( 勇気 ) 」、「 manliness ( 男らしさ ) 」 というイメージが強い。
虎 ( tiger ) は、欧米では 「 ferocity ( 凶暴 ) 」、「 self-willed ( 片意地な ) 」 の象徴で、ライオンに比べると格下に扱われている。
ちなみに、日本では酔っ払いのことを 「 大トラ 」 などと言うが、英語表現では fish や、whale で表す。
ロバ ( donkey ) は、日本では、我慢強く、可愛い動物といった印象があるけれど、英米では愚鈍と無知の代名詞にもなっている。
このように、それぞれの動物から受ける印象は、国によって違ったりもするけれど、人の潜在意識の中に、強く刻まれているものである。
ほぼ、安倍氏で決まった感じのする 「 ポスト小泉レース 」 だが、一般的な有権者の大部分も、安倍氏が妥当だと考えている人が多いようだ。
政治家も、本来、政策や、資質で選ばれるべきだが、投票によって選ばれる以上、「 顔で得する人 」 と、「 顔で損する人 」 がいることは否めない。
芸能人やアイドルとは違って、男前かどうかは大きな問題でもないけれど、いかにも 「 悪者顔 」 している人は、「 善人顔 」 の人より厳しいだろう。
また、「 動物にたとえると、何に似ているか 」 も、大きいのではないか。
爬虫類が嫌いな人は、「 爬虫類顔の人 」 を生理的に受け付けない傾向があるし、豚顔、羊顔、狐顔、それぞれに印象は異なるものである。
理不尽なようだけれど、人間の好き嫌いなんてものは 「 非論理的 」 なものであって、杓子定規に計れるものではない。
交際相手を決めるときに、いくら能力が優秀でも、性格が良くても、見た目の違いや、相性の違いもあるし、一番優れた人を選ぶとはかぎらない。
もちろん、「 そんな理由で政治家を選ぶなよ 」 と、冷静な分析、判断を求める方もいるだろうが、「 人相 」 も、その人の資質の一部なのである。
また、性格や行動が 「 人相 」 に出るということもあるし、顔で嫌われている人は、支持率もハンディを受けるので、なにかと難しいだろう。
顔は犬っぽいが、髪型から 「 ライオン丸 」 と呼ばれた小泉さんの後継は、穏やかな 「 羊顔 」 の安倍さんを、国民は求めているのかもしれない。
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