Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2006年08月09日(水) 亀田擁護論



「 私は誰のどんな誉め言葉も批難も気にすることはない。

  私はただ自分の感性に従うだけだ 」

                     モーツァルト ( オーストリアの作曲家 )

I pay no attention whatever to anybody's praise or blame.
I simply follow my own feelings.

                        Wolfgang Amadeus Mozart



周囲の意見というのは、聴きすぎると、本来の方向を誤ることがある。

逆に、聴かなすぎると、「 空気の読めない奴 」 なんて言われたりする。


スポーツ選手と音楽家を比較して優劣をつけることは、パンとご飯のどちらが偉いかを決めるようなもので、まったくナンセンスである。

分野は違っても、それぞれの世界で活躍する人たちには共通点のあることが多く、冒頭の言葉は、ボクサーの亀田選手にも当てはまる。

ただ、周囲の反応に対して 「 まったく気にしていない 」 かというと疑問で、そこに人間らしい感情があるかぎりは、それに悩んだりもするだろう。

それは、モーツァルトだろうが、浪速の闘拳だろうと同じことで、彼らのいう 「 気にしない 」 とは、その後の意思決定を、左右されないということだ。

亀田選手 ( 親父さんも ) も、試合後の世論には驚き、戸惑っているはずで、強気の発言の中にも、複雑な心境が見え隠れしている。


大方の意見が批判的な中にあって、私個人は、さほど亀田親子に対して、不謹慎であるとか、嫌悪するほどの不快な印象がない。

インタビューの受け答えなどに関して、「 礼儀を知らない 」 と批判する方もいるが、それは彼らの主たる仕事でもないはずだ。

実際、言葉遣いは荒くないが、サッカーの中田選手なども、インタビュアーに敬意を払っているようには見えず、むしろ小馬鹿にした様子が窺える。

それに比べれば、亀田選手のほうが気取りのない分だけ愛想もよく、気さくに話している部分には好感がもてる。

態度がでかく、横柄で生意気でも、「 自分の取り得はボクシングしかない 」 と自己認知できており、ある意味 「 身の程を知っている 」 ようにも見える。


他人の意見に耳を貸さず、余計なこと ( ボクシングで勝つこと以外 ) には気をとられず、「 わが道を行く 」 ことにのみ集中して精進を続ける。

彼らとしては、世間の風当たりに対して 「 それの、どこが悪い 」 と居直り、自分たちには落ち度が無いと態度に表している。

もちろん、その理屈は正しいが、彼らが一つ見落としている重大な事実は、「 有名になった人間は、それなりに影響力を持つ 」 ということである。

世間一般的なステータスはもとより、ボクサーとしても彼らは、けしてエリートコースを歩んできたわけではなく、底辺から這い上がってきたタイプだ。

だから、知名度を得て、所得も上向き、チャンピオンの称号を得た今でも、自分たちは 「 他人に影響力を与える存在 」 であることを知らないでいる。


自分たちの言動や、好き勝手な振る舞いが、他人に影響を及ぼすと思えば、おのずから人間は制約を受け、周囲を意識し始めるものである。

他人にどの程度の配慮をし、どのようなポーズをとるのかは個人差があるけれど、少なくとも無名の新人だった頃と同じではないはずだ。

傍若無人な態度は 「 世間をナメている 」 と評されやすいが、世間をナメるとは、同時に 「 世間に甘えている 」 のと同義語でもある。

自分のプレステージが高いという意識があれば、世間に甘えても、世間はそれを許してくれないと悟るものだが、そういった部分は見受けられない。

コンプレックスによるものか、別のところにあるのかは不明だが、態度とは裏腹に、まだまだ彼らは、彼ら自身の存在を 「 過小評価 」 している。


今後、どのような活躍ができるのか予測もつかないが、本当の自信がついた段階で、自分たちの持つ 「 影響力 」 に気づく時がくるだろう。

元チャンピオンの辰吉選手も、昔と今では言動に差がある。

自分よりずっと若い選手から、「 憧れ 」 とか 「 目標 」 とされている事実を知ると、本人は同じようにしているつもりでも、徐々に変化していくものだ。

スポーツ選手が現役で活躍できる期間は短いけれど、影響を与える立場の者は、そこで人間的にも成長し、それぞれの自己実現をはたすものだ。

いつまでたっても、それに気づかない馬鹿者なら、世の中の役に立たない愚か者としてバッシングしてもかまわないが、今はまだそのときではない。


彼らの親子愛やら、サクセスストーリーを、けして健気だとは思わないが、最近の軟弱な風潮よりは好きだし、私は好意的に観ている。

粗野で暴力的なパフォーマンスを肯定すると、青少年の教育上よろしくないとは思うのだが、「 お上品で軟弱 」 よりは、好みに合っているのだろう。

また、大阪に住んでいるので、「 あのタイプ 」 には免疫がある。

全国には 「 アンチ亀田 」 の人も多いが、いきがって、虚勢を張る部分には目をつぶり、しばらくは暖かく見守っていただきたいと思う。

親父さんはともかく、まだ亀田選手は 「 19歳 」 であり、選手としての活躍以外に、尊敬に値する人格まで期待するのは、いささか酷な話でもある。






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