「 弱きものよ、汝の名は女なり 」
ウィリアム・シェークスピア ( イギリスの劇作家 )
Frailty, thy name is woman!
William Shakespeare
シェークスピア4大悲劇の一つ、「 ハムレット 」 の中の一節である。
ここで言う 「 弱さ 」 とは、「 か弱い 」 という意味ではない。
悪い男に 「 女性が騙される 」 事件が相次ぎ、ニュースになっている。
新興宗教 「 摂理 」 の悪徳教祖は、韓国、日本の女性信者に性的暴行を繰り返し、数多くの女性が毒牙にかけられたらしい。
また、大阪府茨木市では 「 連続監禁事件 」 が発覚し、現在わかっているだけでも、子供を含め7名の被害者があったと判明している。
女性を肉体的、精神的に追い込み、暴行を加えるなどという卑劣な犯行は許しがたく、重罰をもって処すべきだと思う。
また、同じような被害に遭う女性がなくなることを、心より願う。
このような事件が起きると、必ずと言っていいほど、「 騙したほうも悪いが、騙される女性にも問題がある 」 と、被害女性を批難する人が現れる。
たしかに、いづれの事件も、犯人が特に男前だとか、特別な魅力があるわけでもないのに、被害者の女性たちは、たやすく術中にはまってしまった。
どちらかといえば、醜男で、女性を騙すこと以外には、特には取り得のなさそうな 「 ダメ男 」 にみえる。
では、どうして被害女性たちは、「 ダメ男に騙され 」 たのか。
このような犯罪に至らないケースでも、ダメ男とばかり付き合って、周囲の友達から失笑を買ったり、しょっちゅう説教されている女性も多い。
女性にかぎらず人間は、本質的に 「 ダメ男 」 が好きなのである。
映画 『 男はつらいよ 』 に登場する寅さんも、チャップリンが演じた浮浪者も、Mr.ビーンも、国民的な人気者には、意外と 「 ダメ男 」 が多い。
彼らは、「 抱かれたい男ランキング 」 や、「 結婚したい男性ランキング 」 には縁がないけれど、親しみがあり、母性本能をくすぐる。
また、人間の心理として、自分より劣っていると感じる者に対し、それを嫌悪する反面、「 優越感などの快感を抱きやすい 」 という傾向がある。
逆に、自分よりも優れている者には、尊敬と憧れを抱くと同時に、「 嫉妬、警戒、コンプレックスなどの不快感を抱きやすい 」 という傾向がある。
容姿端麗で、頭が良く、お金持ちで、スポーツマンで、家柄が良く、ユーモアのセンスがあり、性格が良ければ、「 女性にモテ放題 」 と思われがちだ。
女性の大半は、「 もし、そんな男性が身近にいれば、彼氏も、亭主も、過去もみんな捨てて、お付き合いしたいわん ( はあと ) 」 と口では言う。
ところが実際には、そのような二枚目が甘い言葉で誘ってくると、喜びよりも 「 警戒心 」 が先に立ち、やすやすとは誘いに乗らないものだ。
男性から口説かれ慣れている美女や、聡明な女性ほど、その傾向は強い。
逆に、もっさりして、うだつの上がらない男性から、おどおどと誘われたほうが、深い付き合いでなければ、安心して同席しやすいようだ。
浅い付き合いでも、一緒にいる時間が長いと情がわくし、二枚目の彼氏と違って緊張しないし、なんとなく居心地がよくなったりもしやすい。
そして、ひとたび関係を持つと、ちょっと 「 後に引けない 」 ようになる。
相手の態度が冷たくなったり、暴力を振るったりし始めたときに、その相手が好男子なら、なんとなく 「 あきらめ 」 もつきやすい。
ところが、「 ダメ男 」 とそうなっちゃった人は、交際相手を間違ったかなと思いつつも、ハマってしまうことが多いのである。
特に、身持ちの堅い女性ほど、「 自分の判断ミスを認めたくはない 」 という意識から、なかなか別れられない状況が続いてしまうようだ。
運がよければ、見るに見かねたお節介な女友達が、強行に仲を裂いてくれたり、ダメ男が刑務所に入ったり、酔って車に轢かれたりして、別れられる。
運が悪ければ、ダメ男ぶりがエスカレートして、監禁されたり、虐待されたり、オリンピックにも出場していない未知の国に売リ飛ばされたりする。
映画や舞台で 『 ハムレット 』 を観た人ならご存知だろうが、冒頭の台詞 「 弱きものよ、汝の名は女なり 」 の弱さとは、「 意思の弱さ 」 である。
国王 ( ハムレットの父 ) の死後、弟と再婚した母親を恨んだハムレット ( そんな彼も、甘えん坊のダメ男 ) が、貞節の意思の弱さを嘆く台詞だ。
実際、いい女性ほど 「 ダメ男には騙されやすい 」 もので、それは仕方ないのだけれど、「 なんか変だ 」 と気づいたら、早めに退散してもらいたい。
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