Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2006年07月23日(日) 二つの顔を持つ人たち



「 地獄の一番熱い場所は、重大な倫理上の争いの中にあって中立の

  立場を取り続ける人間のために用意されている 」

               キング牧師 ( アメリカ人公民権運動の指導者 )

The hottest place in Hell is reserved for those who remain
neutral in times of great moral conflict.

                            Martin Luther King,Jr



中立は報道の大原則であり、それを貫けないものは報道機関ではない。

ただ、終始、中立に徹することは、想像以上に困難なことでもある。


個人でも組織でも、それぞれの哲学や、思想や、好き嫌いがあるわけで、たとえ目的が同じであっても、主義主張は異なる形となって表れる。

残念ながら、本来、中立であるべき報道機関も、例外ではないようだ。

最近、昭和天皇が 「 靖国神社にA級戦犯を合祀したことは不愉快だ 」 と発言した記録が見つかり、様々な論議に発展している。

朝日新聞は社説で、この問題を 「 賢明な判断 」 と評価し、天皇の発言は国政に影響力を及ぼすものとして、大きく取り上げた。

この時点で 「 中立 」 の姿勢は疑わしいが、問題はそれだけではない。


彼らは今年2月の同社説で、寛仁親王殿下が女性・女系天皇に異議を唱えられたことに対し、「 憲法上、皇族は国政に関われない 」 と批判している。

さらには、「 皇族の発言は、政治的に利用される可能性がある 」 などと、言論封殺的な理由まで付け加えていた。

自分たちの都合により、皇室の発言に対して、明らかに 「 二面性 」 のある評価を下しているわけで、報道機関としての資質を問われる失態だ。

彼らの言う 「 政治的に利用 」 をしたのは、他ならぬ彼ら自身であり、日頃の偏った報道姿勢が、露骨に表面化した格好となった。

論調が右翼的でも左翼的でも、それ自体は自由だと思うが、事実に対する評価の仕方が、その時点ごとに変化するようでは、中立性など望めない。


朝日新聞だけを攻撃したのでは 「 中立性 」 に欠けるので、他のマスコミも報道姿勢に 「 悪質な二面性 」 があることを追記したい。

お笑いタレントの一人が、未成年との淫行で吉本興業を解雇された。

少し前には、日本テレビのアナウンサーが盗撮事件で解雇されている。

同じような性犯罪を犯し、同じようにテレビに出ていた二人だが、タレントは大きく実名報道され、アナウンサーは匿名で報道された。

犯した罪は軽くないが、いづれも将来ある若者で、顔写真と実名を全国に晒しだすか、伏せるかによって、実質的な制裁の重みは違うものだろう。


千葉では教育委員会が、下着泥棒をして懲戒免職処分となった市立小学校の教諭を、最後まで匿名公表として通した。

同市教育委員会は、その理由を 「 被害者の希望 」 としていたが、実際は被害者側が、実名公表を再三求めていたことがわかった。

彼らは 「 身内をかばう 」 ために、被害者や、あるいは市民全員を裏切る嘘を繰り返していたわけで、その責任と罪は重い。

この犯人が一般人で、単に学校に侵入した下着泥棒なら、彼らは躊躇なく実名公表に賛同していたはずである。

この国では、マスコミばかりでなく、教育の現場に携わる者たちまで、己の保身のため、身内をかばうために、中立的な裁定を下さない。


個人の多くも、日頃は 「 戦争反対、軍備拡大に反対 」 と唱えながら、北朝鮮からミサイルが発射されると、迎撃ミサイルが無いことにうろたえる。

アメリカとの協調に憤りを示しつつ、米軍の支援が薄いことに不安がる。

豪雨で各地に被害が出ると、「 自治体による日頃の防災準備 」 の不足を指摘するが、平時には防災対策の予算を出し渋る人も多い。

このような 「 二面性、反中立性 」 が顔を出すのは、皆、確固たる信念など持たず、常に自分の利害を最優先している人たちの傾向といえる。

どんな状況でも、何が良くて、何が悪いのか、冷静かつ中立的に判断でき、己の利害など後回しにして考えられることが、本当の 「 善 」 であろう。






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