| 2006年06月04日(日) |
アメリカと同盟する理由 |
「 アメリカは、文明という普通の中間期間を経ずに、奇跡的に野蛮から
いきなり衰退へと向かった歴史上唯一の国家である 」
ジョルジュ・クレマンソー ( フランスの政治家 )
America is the only nation in history which miraculously has gone directly from barbarism to degeneration without the usual interval of civilization.
GEORGES CLEMENCEAU
意味もなくアメリカを批難する個人、集団には同意しかねる。
しかし、もちろん、アメリカのすべてが正しいわけでもない。
私が子供の頃、10歳ほど上の世代 ( いわゆる団塊の世代 ) は学生運動が盛んで、シュピレヒコールの中心は 「 安保反対 」 の大合唱であった。
戦勝国から 「 平和憲法 」 を押し付けられ、去勢された負け犬国家が生き延びるためには、ボス犬に尻尾を振り、傘下に入るしかなかった時代だ。
後の時代で検証してみると、本気で日米同盟から離脱したかった人間は、たとえば自衛隊に決起を呼びかけ、自衛権を獲得しようとしたりしている。
大学で勉強もせずにデモに興じていた連中は、それもひとつの文化として捉え、単に流行を楽しんでいただけの人間が大部分のようだ。
私の兄もその一人で、本人の証言があるのだから間違いなかろう。
面白いことに、反米を合言葉として血気盛んだった彼ら世代こそが、実は、アメリカ文化を大流行させ、日本市場に定着させた張本人である。
アイビールック、ジーンズ、コカコーラ、数え上げればキリがないほど、反米を謳っていた彼らの実体は、「 アメリカ文化大好き人間 」 であった。
現在の韓国や中国における 「 反日思想 」 も同様で、日本のアニメや楽曲は爆発的に売れており、個人レベルでは日本文化への憧れが根強い。
現在の日本は、安保闘争の頃に比べると賛同者は少数だが、ある意味で 「 第二次反米ブーム 」 みたいな風潮があるようにも思う。
まさに、歴史は繰り返されるのである。
安保闘争の時代は、高度経済成長期とはいうものの、まだまだ庶民の生活水準はアメリカに程遠く、一種の憧れと羨望が、日本人の背景にあった。
また、戦争に負けた日本が、独立国家として主権と自衛権を確固たるものにしたいという切なる願いや、愛国心のようなものもあっただろう。
それに比べて現在の日本には、アメリカを羨んだり、強い憧れを抱いたり、コンプレックスを感じたりする要素が、あまり存在しない。
したがって、多少、アメリカのやり方に疑問を感じたとしても、デモやら抗議集会に参加しようなどという人は、極めて少ないのが現実だ。
これから先も、反米思想が消滅することはないだろうが、日米関係に影響を与えるほどの大きな潮流に発展する可能性は、ほとんど考えられない。
日本の首相が靖国神社に参拝しても、中国や韓国の人の暮らしに影響がないのと同じで、アメリカが何をしようが大勢に影響はない。
いまや 「 アメリカがクシャミをすると、日本が風邪をひく 」 時代ではない。
現代日本の反米主義、左翼主義者が、イラク戦争や、BSE問題や、沖縄基地がどうこうというのは、話半分に聞いたほうがよさそうである。
格差社会になりつつあるなかで、「 勝ち組、負け組 」 なんて不適当な言葉が流行る昨今、やり場のない不満がアメリカに向いているケースも多い。
中国の政府が、人民の内政に対する怒りを外敵 ( 日本 ) に向けるようにデモを先導したのと同様に、筋違いな憤懣が大半を占めている。
学生運動が華やかなりし頃は、金持ちも、貧乏人も、女性にモテない不幸な学生も、青春を謳歌する幸せな学生も、こぞって参加したのである。
それに比べ、今、反米を訴えている人たちは、いい年をした大人で、しかも 「 私は成功して幸せです 」 という人が少ない。
将来ある若者や、順調に実績を挙げている社会人が静観する中で、不平不満の矛先を求めているような人が、しきりにアメリカの動きを牽制する。
自分が不幸なのは政治が悪い、政治が悪いのはアメリカの方針に従っているからだというネガティブな論法が、一部に存在しているだけだ。
安保闘争のような社会現象に発展するほど、そういう人物が多くはない。
アメリカとの同盟関係に関して、「 いざというとき、アメリカは日本を守ってくれるのか 」 という疑問の声を耳にすることも多い。
個人的な意見だが、「 守る、守らないに関係なく、日本はアメリカと組むことが相応しい 」 という見解を持っている。
なんだかんだ言っても、大半の日本人はアメリカ文化が好きで、また、有事に 「 自分の手を汚す 」 ことが大嫌いだという特徴を持っている。
だから、着物ではなくスーツを着て仕事に出かけ、T−シャツにジーンズ姿でオフを過ごし、徴兵制を拒絶し、後生大事に 「 平和憲法 」 を守る。
羽織はかまで出勤し、軍備を整え、鎖国するというのなら話はまた別だが、日本人は大抵、アメリカが好きというか 「 性に合っている 」 のである。
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