Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2006年05月09日(火) 他人を見下す人々



「 人は皆、無知である。

  ただし、それぞれ違う事柄について 」

                      ウィル・ロジャース ( アメリカの俳優 )

Everyone is ignorent, only on different subjects.

                                 WILL ROGERS



賢い人は尊敬できるが、「 賢そうに振舞う人 」 といると疲れる。

それに、そういう人が一番、信用できないものだ。


知恵や教養を身に付けていることと、賢そうに振舞うことは違う。

偏差値の高い学校を出ていても、そんなことは微塵も感じさせないような 「 アホっぽい人 」 もいれば、その逆のタイプの人もいる。

他人を見下して説教ばかりするので、さぞや立派な学歴や職歴をお持ちかと尋ねたら、「 う〜む・・・ 」 みたいな人もいる。

このあたりは、意外と本人自身が気付いていなかったりするようだ。

また、WEB日記の場合は、日常生活で使わないような表現をするケースも多いので、その文章だけでは人物像が推察できない場合がある。


私の日記は、「 毒にも薬にもならない、どーでもいい日記 」 を目指していて、いまのところ自分自身の評価は、それ以上でも、それ以下でもない。

文章が堅めなので、「 なんとなく難しそうなことを書いている 」 ように感じる人も多いようだが、けしてそのようなことはないと思う。

きっと、平均的な読者層よりも、私自身の年齢が上なので、表現が堅苦しかったり、古臭かったりするだけの話ではないだろうか。

ちなみに、我々のような中年が、若者より落ち着いていたり、しっかりしているとか、賢そうに感じるのは、先入観と錯覚によるものだ。

けして落ち着いているわけではなく、単に若者より 「 元気がないだけ 」 で、自分自身の若い頃と比較しても、あまり賢くなった実感がない。


では、アホなのかというと、実際にそうなのである。

世の中には自分の知らないことが多いし、どんどん変化していくものだから、いつだって勉強しなきゃいけないし、いくら学んでも追いつかない。

たしかに、好きなことはよく勉強したし、社会人になってから再び留学したりなんかしたので、それなりの知識や特徴を身に付けたかもしれない。

ただ、それが 「 賢そうに振舞う 」 ことと、「 アホっぽく生きる 」 ことの違いには結びつかないし、影響を受ける必要もないはずだ。

自分は、「 アホっぽい生き方 」 を目指し、実践してきたという自負があるので、「 難しそうな日記を書いている 」 などと思われるのは少し残念である。


誤解しないでいただきたいのは、「 アホっぽく生きる 」 ことと、馬鹿げた行動をすることは、けして同じではないということだ。

私の提唱する 「 アホっぽい 」 というのは、なんだか自分が偉くなったような錯覚に陥ったり、他人を見下したりしないように心がけるという意味である。

難しい理屈にばかり囚われていると、規則やら、今の時代には通用しない化石のような 「 常識 」 に縛られて、物事の本質が見えないことも多い。

それよりは、子供のように素直な視点で、「 理屈はよくわからないけれど、実際に困るよね 」 といったシンプルな発想のほうが、現実を直視できる。

だから、私の日記では 「 憲法にこう書いてある 」 とか、「 国際法に違反する 」 なんてことは、ほとんど重要に語っていないはずだ。


たとえば、「 戦争反対 」 と声高に叫ぶ人を例に挙げると、国連がどうしたこうしたとか、大量破壊兵器がどうこうと理屈を並べる人もいる。

これは、たしかに 「 賢そうなご意見 」 である。

それに対し、いい年をした大人が、なぜ戦争反対かと問えば 「 人がいっぱい死ぬから 」 なんて答えると、ちょっと 「 アホっぽい 」 印象がある。

私としては、前者のようなタイプよりも、後者のような人のほうが好きだし、そっちの理由のほうがずっと真相を見極めているように思うのだ。

それに、前者にはいくらでも反論できるが、後者に反論できる余地はない。


イラク戦争では多数の死者が出たけれど、では、「 イラク戦争がなかったら、何人の人間が死んだのか 」 について、あまり語る人はいない。

日本政府が駐留米軍に 「 思いやり予算 」 を支給することを問題視する人も多いが、自衛隊が同等の戦力を確保するのに必要な予算は語らない。

そのあたりが、「 賢そうに振舞っている人 」 の限界なのである。

また、こういうタイプの人は 「 自分は違うけど、大半の日本人はバカ 」 という発言が多く、当然のことながら反感を招くことも多い。

私も 「 現代の日本人は勉強不足 」 という点において同意見だが、それは 「 自分も含めて 」 という注釈がつく。


いま書店では、『 他人を見下す若者たち =自分以外はバカの時代= 』 という本が売れている。

根拠のない 「 仮想的有能感 」 を持ち、他人のキャリアやスキルを否定することで、自己防衛と優越感を確保しようとする若者を指摘している。

読んでみて 「 なるほど 」 とうなづける点も多いけれど、対象が若者の場合には、まだ幾分かの可愛げもあると思う。

中年になって、このような姿勢でいるほうが、よほどみっともない。

自分の意見はそれなりに主張しても、自分だけが正しいとか、他人を見下す発想を持つことは、なるべく避けたほうが望ましいだろう。


日記の文章でいうと、「 賢明なる読者の皆様なら 」 といった記述も、特定の読者をおだてているようで、実はバカにしているような印象がある。

あるいは、「 国民は政府に騙されている 」 なんて記述も、政府を攻撃しているようにみせかけて、実際には 「 騙されるバカ 」 を標的にしている。

問題は、国民が賢いか馬鹿かではなく、「 誰のための政府か 」 であると私は思うのだが、そういう日記を書く人は価値観が異なるようだ。

そうはいっても、たしかに周囲から誉められたり、評価されたりすると、思い上がりやすいのも事実で、自分自身も例外ではない。

これからも日記を書くときには、この心構えを大切にしていきたいと、話題の本を読んで改めて感じた次第である。






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