Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2005年12月07日(水) 目標を持たないことの恐さ



「 何をやるにも絶対に必要なもの、それは何をやるか選んで、

  それを愛し、夢中で取り組むことです 」

                         ナディア・ブーランジェ ( 作曲家 )

The essential [ conditions ] of everything you do ... must be choice, love, passion.

                             NADIA BOULANGER



最近、イライラやストレスが溜まり、少し怒りっぽくなっている人。

なんとなく、「 情緒不安定 」 になりかけている人は、いないだろうか。


原因は様々だが、多くは 「 明確な目標を持っていない人たち 」 に見られがちな傾向であり、ご自分に当てはまる場合は要注意である。

このところ 「 ニート 」 や、若年齢層の 「 うつ病 」 の人たちと接する機会も多いが、彼らの大部分にも共通して同じ特徴が見受けられる。

なかには、「 いや、“ やるべきこと ” は、わかっているんです 」 と話す人もいるが、それが即ち 「 明確な目標を持っている 」 とは判断し難い。

たとえば、売上の目標は定まっているが、最初から 「 達成は不可能 」 だと思い込んでいる営業マンの場合、明確な目標を持っているとは言えない。

自分の意志により、達成したい、最後までやり遂げたいと願う心意気を持たずして、他人から押し付けられ、与えられるだけでは目標の価値も無い。


数値化されたノルマや目標に対して、あるいはストレスやプレッシャーなどといった部類のものに対して、それを苦痛と感じる人が多い。

私も過去に20年間、営業職を中心に働いてきたので、気持ちはわかる。

しかし、適度な難易度を含んだ目標というものには、個人の技量を成長させたり、業績を向上させるなどのプラス効果がある。

仮に、「 目標はありません、自由にやってください 」 とか、「 難しいと思えば放棄して、簡単なことだけやってください 」 という会社があったとする。

その会社の業績や、従業員の力量が伸びることは期待できず、誰にも利益が還元されることもないのだから、経営者も従業員もハッピーではない。


やり遂げようという情熱を傾けられない人にとって、彼らが 「 目標 」 と称しているものの実態は、押し付けられた 「 課題 」 や 「 重荷 」 でしかない。

真の目標は、苦役だけでなく 「 やり遂げた際の喜び 」 とか、「 達成感 」、「 報奨 」 などの特典があり、それが励みになって仕事もはかどる。

明確な目標を持つ人は本来の仕事に没頭するが、持たない人は 「 できなかった際の言い訳 」 を考えたり、愚痴をこぼすことに時間を取られる。

片方が、できない理由を探している間に、もう片方は、できる方法を考える時間に充てているのだから、その結果は当然、違ったものになっていく。

この 「 目標に対する姿勢の違い 」 というものが、仕事のできる人、できない人、重圧に耐える人、潰れる人の差につながっていくことが多い。


多くの職場で、「 実行力は弱いが他人への批判は得意 」 という人がいる。

これは、自分の使命や目標を直視せず、周囲の環境に不達成原因を求めたり、自分以外のところに責任を転嫁する悪癖が招いた結果である。

ところが本人は、「 自分には、凡人には無い着眼点や観察力が有り、社会の善悪や問題点を批判する技量に長けている 」 などと勘違いしている。

最初のうちこそ、一部のアホな同僚が騙されて賞賛したりするかもしれないが、そのうち 「 仕事のできない奴 」 として、徐々に見放されていく。

その後は、閑職に左遷されたり、降格されたり、あるいはリストラされ、情緒不安定になって精神科、心療内科の世話になるという末路が待っている。


ひねくれた中高年ならまだしも、34歳以下の若年齢層の中に、このようなシニカルで、無気力、無感動な人たちが多く潜んでいる。

断言してもよいが、「 夢中で取り組む目標を持っている人間は幸福である 」 はずで、そういった目標を見つけること、それが一番の打開策である。

ダメな大人が、「 仕事なんてツライだけだ 」 とか、害のある発言を垂れ流しているうちに、何をやったらいいかわからない若者が増えたようだ。

現実は、達成不可能な 「 無茶苦茶な目標設定 」 を押し付ける企業もあるだろうが、もしそれが客観的事実なら、そんな会社は辞めてしまえばいい。

もっといい会社に転職するなり、新たな目標を開拓する方法があるはずで、愚痴や文句を吐きながら居座っている理由にはならない。


クラーク博士が、「 青年よ、大志を抱け = Boys, be ambitious 」 と言い遺した通り、人間には大望や夢、理想、目標というものが必要なのである。

それがなければ、ただの 「 なんとなく生きている浮遊物 」 であって、いくら知識があろうと、偉そうなことを言おうと、微生物となんら変わらない。

自殺者が多いのも、最大の原因は 「 目標を持たない人間が多い 」 ことにあり、やり遂げたい真の目標があるかぎり、誰も死のうなどとは考えない。

仕事にかぎらず、自分の人生のテーマや、目標をきちんと持っている人は、快活に人生を謳歌し、マイナスの発言をすることも少ない。

自分の使命や目標に背を向け、病んだ精神で過ごすよりは、明確な目標を念頭に置き、真っ直ぐに生きていくほうが、きっと人生は輝きを増すだろう。






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