Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2005年11月14日(月) 禁煙に至る道のり = その1



「 老いぼれたら、老いぼれたことがわからなくなる 」

                              ビル・コスビー ( 俳優 )

When you become senile, you won't know it.

                                  BILL COSBY



個人的な最近の “ 大きな変化 ” の一つについて、書いてみたいと思う。

たぶん一回では収まりきらないだろうから、今夜はその一回目。


私が禁煙を始めてから、約一ヶ月半ぐらいになる。

ヘビースモーカーの諸氏にはご理解いただけると思うが、この 「 一ヵ月半 」 という期間は、まぁ、禁煙成功と判断できる成果だろう。

しかも現在、まったく吸いたいという欲求もなく、煙草を吸う人たちの近くにいても、なんの誘惑も感じない状況にある。

おそらくは、今後一切、終生を通じて喫煙することはないだろう。

23年間も手放さなかった煙草だが、実にあっさりとやめられるもので、ほんの少し前まで 「 なんで吸っていたのか 」 さえ、思い出せないほどである。


煙草を初めて吸ったのは、大学を出て社会人になった頃である。

それまでにも、悪戯で吸ったことはあったが、学生時代はずっとスポーツに傾倒していたので、競技の妨げになることは必定だし、手を出さなかった。

当初は、1日に1箱 ( 20本 ) ぐらいの量だったと記憶しているが、しばらくすると2箱に増え、最大時には3箱を吸っていた時期もある。

気分や体調にもよるが、40歳までは平均すると2箱〜2箱半ぐらいで推移し、その後は1箱〜1箱半ぐらいを吸い続けてきた。

禁煙を決めた直前も、1箱以下ということはなく、同じペースで吸い続けた。


初期に吸っていた銘柄は、「 セブンスター 」 であった。

昔の煙草は、タール・ニコチンの含有量が多かったので、その当時にしては低タールだったセブンスターを、当時の若者はよく吸っていたのである。

その後、26歳頃から 「 ラッキーストライク 」 に変え、以降はずっと定着して同じ銘柄を吸い続けてきた。

約20年間に亘り、同じ銘柄の煙草しか吸わなかった人間は珍しく、周囲の知人たちからは、よほどその煙草が気に入っていたのだろうと言われる。

後から説明するけれど、煙草をやめるまでの間、銘柄にこだわった理由は 「 風味 」 だと思い込んでいたが、実際には少し違っていたようだ。


実際に禁煙するまでの間に、何度か禁煙しようかと思ったこともあったが、それはあまり真剣な決意ではなく、具体的に行動へ移すことはなかった。

それは、多くの人が禁煙を目指す理由の上位に挙げる 「 健康のため 」 という要因に、ほとんど関心を示さなかったからだと思う。

今もそうだが、煙草を吸い続けていても身体上の異常は見当たらないし、健康診断を受けても 「 年齢のわりに健康 」 という診断結果が出る。

もちろん、将来に向けても健康であり続けたいとは思うが、自分の場合は、さほど 「 煙草が身体に害をもたらしている 」 という実感がない。

この度、禁煙を始めた最大の理由も 「 健康のため 」 ではない。


今回、煙草をやめようと思ったのには複数の理由があるのだが、まず最大の理由としては、「 喫煙は、カッコ悪い 」 と思い始めたことが挙げられる。

逆にいうと、過去に煙草を吸い始めたきっかけや、手放せなかった理由の中に、「 喫煙は、カッコ良い 」 という錯覚があったように思う。

夜の空港で、昔の恋人がレジスタンスの指導者と外国に旅立つのを見守る ハンフリー・ボガート が、コートの襟を立てながら煙草に火を点ける。

あるいは、敵国の女スパイと一夜を共にし、自らの魅力ですっかり虜にした ジェームズ・ボンド が、ベッドの中で上半身を起こし、煙草をくゆらせる。

煙草会社のCMが問題になっているけれど、実際にはこのような 「 カッコ良い男は、煙草を吸っている 」 という映像の、視覚的洗脳効果が大きい。


冷静に考えてみると、彼らは 「 煙草を吸っているから、カッコ良い 」 のではなくて、それぞれに別の理由でカッコ良いのである。

日常的に見かける、その辺の貧相なしょぼくれたオッサンが、煙草を吸う姿がカッコ良いかというと、けしてそうではない。

むしろ、ヤニ臭い息で話し掛けてきたりして、「 ウザイ 」 存在である。

煙草をよく吸う人の車に乗ると、たまにヤニ臭さを感じることがあるし、そういう人の指が鼻先に近づいただけで 「 臭い 」 と感じることもある。

ふとした瞬間に、「 自分は違う・・・と言い切れるか 」 と自問自答したりして、喫煙による 「 不潔感など印象の悪さ 」 に気付かされることも多い。


最近では、カッコ良い男の大部分も煙草を吸わなくなってきているらしくて、「 煙草を吸うとカッコ良い 」 などという幻想は、壊れ始めているようだ。

極端に煙草を嫌う女性と付き合ったこともないし、現在の彼女も煙草を容認してくれてはいるが、彼女自身が吸うわけではない。

彼女を含め、過去に交際してきた女性の大半は、私への健康の気遣いも交え 「 できれば、吸わないほうがよい 」 と望んでいたはずである。

ある意味、好きな女性、大切な周囲の人たちに 「 我慢を強いてきた 」 わけでもあり、そう考えるとかなり 「 カッコ悪い 」 ような気もする。

この 「 カッコ悪さ 」 が気になり始めたのが、禁煙の最大の理由である。


老人が 「 自分は老いぼれている 」 ということに気付かなかったり、素直に認めようとしないのと同じで、自分の現況というものは捉え難い。

ましてや、何かによって洗脳されたり、呪縛を受けている場合に、それらの渦中から一歩外へ出て、冷静に自分の姿を見つめ直すことなど難しい。

その困難を打破し、「 喫煙習慣はカッコ悪いし、時代の潮流に逆らっているし、周りに迷惑だし、健康に悪い 」 と気付いたら、あとは禁煙あるのみだ。

そう考えた私は、9月の中旬に、「 10月1日をもって禁煙する 」 と決意し、さて、どのようにしてやめるかという難題に、取り組み始めたのである。

( つづく )






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