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2005年07月01日(金) 働きすぎる人の怠慢



「 仕事とは、他になすべきことを持たない人々の逃げ場である 」

           オスカー・ワイルド ( イギリスの詩人、小説家、劇作家 )

Work is the refuge of people who have nothing better to do.

                                 OSCAR WILDE



ある若者が、「 NEET ( ニート ) こそ勝ち組ですよ! 」 と笑って言った。

なかなかの名言であるなと、思わず唸ってしまった。


前文にある 「 NEET 」 とは、「 Not in Education Employment or Training 」 のことで、働かず、学校にも行かず、訓練も受けていない若者を指す。

働くことの意義は、単にお金を稼ぐ手段というだけでなく、仕事を通じて様々な人生体験を積んだり、自己を高める効果を含んでいる。

だから、多くの人は 「 NEET 」 という立場を認めようとしないし、そのような立場に甘んじている若者に対して、好ましく思わない傾向にある。

しかしながら、いい年をして会社が嫌になったとか、仕事のプレッシャーに潰されたとか愚痴って、心身の健康を崩す人間もいる。

本人は 「 こっちは、れっきとした病気だ 」 などと仰るが、社会への適応度という面では五十歩百歩で、どちらが劣るというものでもない。


基本的に、仕事を 「 働くのはお金のためである 」 としか考えられない人は、あまり良い仕事をしないし、仕事を通じた個人の成長も望めない。

これは、若者も、中年も、老人も、すべて共通している。

仕事というのは、たしかに生活を支える経済活動として重要ではあるけれど、所詮は 「 手段 」 であって 「 目的 」 ではない。

また、大半の人にとって、人生で多くの貴重な時間を費やすことになるのだから、その見返りが 「 お金 」 だけでは物足りないはずである。

たまにいる 「 お金さえあれば働きたくない 」 などと、恥ずかしげもなく語る御仁の思想は、まさに 「 NEET 」 と同じ次元だといえよう。


また、仕事が面白すぎて 「 他のことにまったく興味がわかない 」 という人も、どこかでバランスが崩れてしまっているように思う。

仕事中毒 ( ワーカホリック = workaholic ) も一種の病気で、たえず仕事をしたり、仕事のことを考えていなければ落ち着かないという状況に陥る。

この 「 workaholic 」 と 「 NEET 」 は対極の位置にあり、まるで正反対だと思っている人も多いが、実際にはちょっと様子が違う。

いづれも 「 バランスの悪い人 」 という意味では共通しており、中間にある 「 バランスが “ ほどほどに ” 取れている人 」 からみれば変人である。

生活のバランスが悪いのに、人格や健康のバランスが整うことなど難しいわけで、そのような状態が長く続くと、ちょっと 「 浮いた存在 」 になる。


人間にはかぎられた時間が与えられており、その間に稼いだり、遊んだり、学んだり、憧れたり、いろんなことをしなければならない。

それが面倒だからといって、稼ぐことだけや、遊ぶことだけに没頭するのは怠慢というもので、本来の目的を達したとはいえないだろう。

当然、そんな状態で 「 人生をエンジョイした 」 ともいえない。

そんな 「 偏りの強い人たち 」 が最近は多く、まったく仕事をしないだとか、あるいは仕事に逃げ込んで、他の要素を疎かにする人の存在が目立つ。

ひたむきに働くことは善だが、人生には他の 「 挑むべき事柄 」 がたくさんあるわけで、それを避けるために仕事を逃げ場とするのはいただけない。






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