Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2005年06月09日(木) 祝!日本代表ワールドカップ一番乗り



「 今から二十年たったとき、このメダルを見てこう言える。

 “ あの日オレは、世界一の四〇〇メートル走者だった ”

  なんだそんなことと思う奴は、運動選手の胸の内がわかっちゃいない 」

            ヴィンス・マシューズ ( ミュンヘン五輪の金メダリスト )

Twenty years from now, I can look at this medal and say,
“ I was the best quarter-miler in the world on that day. ”
If you don't think that's important,
you don't know what's inside an athlete's soul.

                              VINCE MATTHEWS



日本代表が北朝鮮に勝利し、ワールドカップへの出場権を獲得した。

死闘を制した選手たちへは、心より祝福と賛辞を贈りたい。


スポーツの世界に限らず、歴史というものは 「 瞬間の繰り返し 」 によって構成されており、次の瞬間に何が起きるのか、誰も断言はできない。

いくら滞りなく準備を進めても、技術を磨き、心身を鍛えても、勝負事において確実な勝利など在り得ず、常にプレイヤーは不安を抱いている。

だから、その先に何が待ち構えていようとも、ただ目の前の勝利に集中し、瞬間を戦い続けることで、余計な不安に心を奪われないように務める。

今夜、柳沢が膠着したゲームの先取点を挙げたことも、大黒が相手の戦意を喪失させる二点目を挙げたことも、大抵の人はすぐに忘れる。

そのことは、他ならぬ彼ら自身が一番よく知っているのだろうが、それでも、瞬間の勝利者として頂点を極めることに、持てる力のすべてを尽くす。


スポーツに関心が薄い人、実体験を伴わない人の多くは、この “ 感覚 ” が理解できないようである。

たかが 「 球蹴り 」 などと小馬鹿にしたり、政治や経済の問題とごちゃ混ぜにして、「 サッカーどころじゃないさ 」 などと天邪鬼な意見を呟く。

あるいは、音楽や芸術などと比較して、「 スポーツの持つ瞬間的な感動よりも、芸術の普遍的な素晴らしさ 」 をことさらに主張する人もいる。

どちらが偉いだとか、立派だというものではないと思うが、そういった理屈をこねる人たちは、一つ、大きな勘違いをしているようだ。

スポーツも芸術も、「 感動に触れた瞬間 」 こそが人々の記憶に残るものであり、その瞬間を演出するために、プレイヤーは全力を投じている。


たしかに、スポーツが観客に実利を施したり、将来の安寧をもたらすことは少なく、国際間の紛争を平定したり、環境を改善する効果は薄い。

しかし、その感動が聴衆に勇気を与えたり、士気を鼓舞することはある。

日本代表の活躍はもとより、恵まれない不利な条件の下で必死に食い下がる北朝鮮選手たちの健闘ぶりからも、私は勇気を与えられた気がする。

自分も、違う分野で 「 負けられない戦いに挑む 」 という覚悟や、意気込みが高まったし、それは明日からの気力に繋がっていくだろう。

彼ら全員に感謝の意を表し、今夜は健闘を称えたい。






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