「 人格を計る最良の指標は、
(a) 自分にとって何ら役に立たない人にどのような態度をとるか、
(b) 自分に逆らえない人にどのような態度をとるか、 である 」
アビゲイル・バンビューレン ( アメリカの身上相談欄コラムニスト )
The best index to a person's character is (a) how he treats people who can't do him any good, and (b) how he treats people who can't fight back.
ABIGAIL VAN BUREN
世の中には、上の文と 「 正反対の人間 」 もいて、権威、権力には迎合し、相手が格下とみるや、一気に強硬な態度を示す者もいる。
そんな人間はストレスが溜まりやすい傾向にあり、精神障害、人格障害の症例を示す者が多いという統計も出ている。
いい大学を出ていようが、どんな資格を持っていようが、これでは人に好かれたり、一目置かれることなどない。
権威主義に走る者は、長期的な繁栄に縁がなく、いづれは滅びる。
そんな 「 嫌われ者、鼻つまみ者 」 を多く擁する企業も、悪しき社内風土がはびこって、大きな問題を抱えたり、破綻することが多い。
私の同僚に、70歳を目前に控えた男性カウンセラーがいる。
彼は突出して能力が高いわけでも、経験が豊富なわけでも、行動力が高いわけでもなく、いたって普通の好々爺である。
しかし、もっとも尊敬に値するのは、彼が 「 誰に対しても、まったく同じ態度で接している 」 という点であり、絶対に他人を見下すことがない。
これは簡単なようで、なかなか真似のできることではない。
初対面の相手と接したときに、その人物を 「 値踏み 」 したり、今後の付き合い方を検討する習慣を無くすのは、かなり修行の要ることである。
いつも彼は幸せそうに、ニコニコと笑っている。
自分に相当な自信があるわけでも、自分を底辺の人間だと卑下するわけでもなく、ただ単に 「 自分を訪ねてきてくれた人 」 が好きなだけだと言う。
だから、孫のような若年者にも、年上の相手にも同様の礼を尽くし、分け隔てない態度で迎え入れる習慣が身についている。
年をとってそうなったのかと尋ねると、けしてそうではなく、物心ついたときからそのように心がけてきて、現在も変わらないのだそうである。
最近、人格上で一番尊敬しているのがこの方で、見習いたいと思っている。
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