「 私の見方からすると、虹が欲しけりゃ、雨は我慢しなきゃいけない 」
ドリー・パートン ( アメリカのカントリーシンガー )
The way I see it, if you want the rainbow, you gotta put up with the rain.
DOLLY PARTON
グラミー賞も獲った人気歌手で、テネシーには彼女のテーマパークもある。
大きな虹のように広がった、彼女の人生を象徴するかの如き理想郷だ。
虹は誰でも好きに違いないが、「 素晴らしいもの 」 の象徴としての虹には、それを実現するのに貢献している雨の存在というものがある。
努力せずに他人の成功を羨んだり、憧れるだけに留まる人々の眼中には、虹を捉えることはできても、雨の存在を承認できていないケースが多い。
ドリー・パートンは、14歳で歌手デビューを果たしたが惨めな失敗に終わり、レコード会社との契約も破棄されてしまった。
しかし、それにもめげずに歌い続け、20代後半からは徐々に注目を浴びるようになり、グラミー賞受賞後は映画にも出て、オスカー候補にもなった。
冒頭の名言には、彼女の豊富な人生経験やら、苦労人ならではの教訓が込められているような気がして、「 今夜の気分 」 に引用させてもらった。
欧米では、夢想家や一攫千金を狙う人を 「 rainbow chaser ( 虹を追う人 ) 」 と呼ぶことがある。
アイルランドでは、虹が地面に接した地点に金貨の入った壺があるといった迷信が広く普及していて、多くの人々が今でも信じている。
虹を 「 素晴らしいもの、成功の証 」 と考える習慣は万国共通のようだ。
実際は、そんなところへ宝探しに行くよりも、コツコツと地道に努力を重ね、風雨に耐えた人間が 「 虹 」 を掴む確率のほうが、圧倒的に高い。
努力する人が夢見ているのは 「 幸運 」 であり、努力しない人が待ち望んでいるのは、単なる 「 偶然 」 であることを忘れてはならない。
ちなみに、虹の七色は内側から順に 「 violet, indigo, blue, green, yellow, orange, red 」 だが、アメリカの子供は面白い覚え方をする。
頭文字をとって 「 vibgyor 」 としたり、逆にして 「 Roy G.Biv 」 という人名になぞらえたりする。
私が虹の七色を覚えたのはこの方法で、現地の子供から教わった。
イギリスでは、「 Richard of York goes battling in vain. ( ヨークのリチャードが戦いに行くが敗れる ) 」 という文にして覚えたりもする。
七色を覚えていない人は、これらの方法で覚えてみてはいかがだろうか。
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