「 怒りは敵と思え 」
徳川 家康 ( 将軍 )
Consider anger your enemy.
IEYASU TOKUGAWA
最近は滅多に腹を立てたり、他人と争うことが少なくなった。
たまに 「 怒っているフリ 」 はするが、本気ではない。
今日は、ちょっとした相手の仕草や言葉遣いが勘に触って、思わずつい 「 キレて 」 しまうという失態をやらかしてしまった。
普段、怒りを露にすることなどないので、周囲は驚くし、相手は青ざめるし、自分自身も 「 さて、どうしたものか 」 と悩んでしまう。
当然、それなりの理由というものがあって、説明すれば大半の理解は得られるだろうが、誰にも話す気になれず、そのまま席を立った。
数人の男女が一緒にいたが、執拗に理由を尋ねる者もいれば、とにかく、ご機嫌を取ろうと右往左往してくれる者もいる。
こんなときは 「 放っておいて欲しい 」 のだから、どちらも面倒に感じる。
一人だけ、気の合う女友達が 「 たまには、いいんじゃない 」 と、何の理由かも尋ねずに言ってくれた。
これは、大雑把で無責任な発言のようだが、自分には嬉しかった。
他の誰もが 「 何故、怒っているのか? 」 を気にしているのに対し、彼女だけは 「 私は、怒っても良いのか、悪いのか? 」 を考えてくれている。
理由はどうあれ、腹が立ったのなら 「 たまには怒ってもいいさ 」 という意見を投げかけてくれたわけである。
不機嫌な中にも、少しは 「 救い 」 を感じる瞬間であった。
ただ何事も、怒りで始まった事柄は上手く行かないもので、人間は怒ると 「 損 」 をすることが多いものだ。
だから、滅多なことでは怒り狂わないほうが得策なのである。
そんなことぐらい、ちゃんと判っているのだが、押し上げる感情を堪えきれずに発散させてしまうことだって、たまにはあるものだ。
そこで 「 たまには、いいんじゃない 」 などと声を掛けてくれる友達は、あるいは異性であっても、「 親友 」 になれる可能性がある。
その後、結局は 「 TAKA らしくない 」 とか、なんだとか言って、理由を問い詰められてしまうのだが、悪い気はしないものだ。
|