「 人に好かれるのは、人を好きになることの裏返しにすぎない 」
ホセ・オルテガ・Y・ガセ ( 聖職者 )
Getting people to like you is merely the other side of liking them.
JOSE.ORTEGA.Y.GASSET
彼氏、彼女を 「 ゲットする 」 という表現は、上文からみても正しい。
人に好かれるのは、[ people to like you ] を [ getting ] することである。
万人から好感を持たれることは難しいが、比較的に 「 人に好かれやすい 」 タイプの人と、「 人から嫌われやすい 」 タイプの人がいる。
ビジネスマンの場合は、まず 「 仕事が人並みに出来る 」 ことが大前提で、それが無ければ 「 ビジネスマンとして好かれる 」 ことはない。
もちろん、「 仕事は人並みに出来るが、嫌われやすい 」 という人もいるし、仕事上は少し問題があるけれど 「 人間性が好かれる 」 という人もいる。
人格的な面で人の好感を得る方法は意外と簡単で、ノウハウ本も各社から数多く出版されているので、興味のある人は買ってみるとよい。
それらに書かれてある通りに実行して、好かれないことは考え難い。
問題は、そういった動作を 「 意識的に行う 」 のか、「 無意識に行う 」 かの違いで、意識しないと出来ない人の場合は、相当な疲労を伴う。
実際、人に嫌われたくないという願望が強すぎて、無理をした挙句に精神のバランスを崩したという人もおり、それはそれで不幸な話かもしれない。
逆に、そういった本に書かれてある 「 セオリー 」 にすべて逆らっていても、不思議と人に好かれる資質を持っている人もいる。
そんな人物には、何かしら 「 天性の魅力 」 が備わっていたり、表情が豊かだったり、性格が明るかったり、特別な 「 オーラ 」 のようなものがある。
あるいは、無意識のうちに 「 人の好感を得るセンス 」 を発揮している人もいて、優秀な営業マンの多くは、そのタイプに属している。
また、人に好かれる術を 「 テクニック 」 に頼っても、そこには限界がある。
他人の存在を認めて、好きになることがなければ、自分に対する好感度を高めたり、他人との絆を深めるということは難しい。
そのためには、まず 「 他人の話をよく聴く 」 ことが大事だ。
会話の最中で、すぐに 「 私もね 〜 」 とか、「 俺の場合はね 〜 」 などと、すぐに口をはさんで割り込む 「 俺が、俺が 」 というタイプの人がいる。
こういう人たちは、「 自分をアピールして好かれよう 」 とする癖が強いのだが、他人の話を興味深く聴かないことが災いし、逆に嫌われることが多い。
人は本来、「 自分の話を聴いてもらいたい生き物 」 だと思う。
だからこそ、数多くの人が本を書いたり、WEB日記を公開したり、占いが繁盛したり、カウンセラーという商売が成立したりもしている。
カウンセラーに求められる 「 きく 」 は 「 聴く 」 であり、「 聞く 」 や 「 訊く 」 ではない。
英語の感覚でいうなら 「 聴く ( 耳を傾け、注意を払って聴く ) [ listen ] 」、「 聞く ( 音を聞く ) [ hear ] 」、「 訊く ( 問う、尋ねる ) [ ask ] 」 の違いか。
一般の人でも、他人を認め、好きになり、他人の話を 「 聴く 」 ことのできる習慣が身につけば、それだけでも好感度を上げる秘訣となり得るだろう。
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