「 恋は愚か者を賢くし、賢者に愚行をさせる 」
サミュエル・ジョンソン ( イギリスの批評家、ジャーナリスト )
Love is the wisdom of the fool and the folly of the wise.
SAMUEL JOHNSON
取り立てて 「 愚か者 」 でも 「 賢者 」 でもない場合は、どうなるのか。
たぶん、「 何も変わらない 」 のではないだろうか。
また、冒頭の名言が正しいのならば、「 何度も繰り返し恋をする人間 」 は、だんだん賢くなっていき、どこかを頂点にして、また馬鹿になっていくのか。
だいたい、「 恋 」 の定義も難しい。
ちょっと好きになる程度のことを 「 恋 」 と思う人もいれば、そうではないと言う人もいるし、何が 「 本物の恋 」 なのかは基準が曖昧だ。
自分自身で振り返ってみると、たしかに 「 あれは “ 恋 ” だった 」 だとか、「 あれは “ 気まぐれ ” だった 」 とか、それぞれに違いはある。
しかし、その違いすらも 「 別れた後で気付く 」 ことが多く、付き合っている最中に意識することは少なかったように思う。
さて、人間には 「 嗜好 」 というものがあり、たとえば 「 好きなタイプ 」 などというのも、人それぞれに異なっている。
あるいは、「 同性から好まれないが、異性からは好かれやすい人 」 なんて存在も、世の中にはあるようだ。
たとえば、異性に甘えて媚を売るような女性を、嫌う女性は多い。
それはきっと、彼女の 「 作戦 」 であって、ずる賢いところに嫌悪する女性達が 「 気をつけなさい 」 と、対象にあたる男性に注意を促しているのだ。
ご忠告は、ありがたく、真摯に受け止めるべきだろう。
ただ私自身は、それを 「 作戦 」 と見抜けないほど、経験が浅いわけではないし、簡単に騙されるほど初心でもない。
ならば、彼女の作戦は成功しないかというと、そうではない。
私は、そういう 「 策を巡らす女性 」 が、大好きなのである。
善い悪いではなく、これも一つの嗜好なのであって、胡散臭い出会いとか、わざとらしい転び方とか、女優っぽい涙とか、そういうのも嫌いじゃない。
ちなみに、「 フェロモン系のきつい香水 」 を嗅いだ時も、周囲の 「 さっき、臭かったよね 」 なんて会話に同調しているが、本当は好きだったりする。
当然のことだが、「 好き 」 なのと 「 付き合おうとする 」 のは違うし、好きなタイプを片っ端から口説いて回るほど、暇でも、元気でもない。
また、いくら面倒だからといっても、手近なところに居る口説けそうな女性に手を出すほど、飢えてもいないし、節操がないわけでもない。
それに、異性に関してはかなり 「 飽きっぽい 」 性格のようだ。
だから、ご心配いただくような事態にはならないし、万が一、そうなった場合の面倒臭さや、「 損得勘定 」 ぐらいはできる人間である。
それに、いまは仕事が忙しくて、楽しくて、それどころではない。
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