「 人を高めるのは、苦難でなくて回復である 」
クリスチャン・N・バーナード ( 心臓外科医 )
Suffering isn't ennobling, recovery is.
CHRISTIAAN.N.BARNARD
未曾有の悲惨な列車事故が、とても身近な地区で発生した。
犠牲者の皆様の冥福を祈り、謹んで哀悼の意を申し上げる。
大量輸送機関による事故では、乗り物の 「 どの位置に 」 居たかによって、ときには生死を分かつことがある。
亡くなられた方々のご不幸は疑いようもないが、運良く助かったといっても、それが安易に 「 幸運 」 などと呼べるものではない。
多くの方にとって、この列車は通勤、通学の手段であったり、生活のために欠くべからぬ交通機関として、日常的に利用されていたはずだ。
都内で起きた 「 地下鉄サリン事件 」 のときも同じだったが、被害に遭った多くの生存者は、これからも同じ区間を利用しなければならない。
たとえ 「 こんな悲劇 」 があろうと、そこから目を背け、遠ざかることすらできない宿命を、生存者の多くは苦悩として抱えることになる。
現在、日本には約1万2千名の 「 臨床心理士 ( 医師約400名を含む ) 」 がいて、人々の心の問題を専門的に取り組む仕事に就いている。
それ以外にも、各種機関で教育を受けた カウンセラー、サイコセラピスト、心理相談員などの名称を持つ専門家が、それぞれの分野で活動している。
私のように、ビジネスマンのキャリア開発や、転職、就労など仕事上の悩みを主に担当するカウンセラーは、対象者の 「 治癒 」 が目的ではない。
それでも 「 一般の素人 」 とは違い、一通りの養成を受けて資格を取っているわけで、実務面でも 「 心のケア 」 という作業に深く携わっている。
近畿だけでも、相当数の 「 専門家 」 がいることは間違いない。
皆、仕事を抱えていたり、別のボランティアを行っていたりして、多忙な毎日を過ごしていると思うが、少しぐらいの余力は残しているだろう。
事件発生後、夜までの間に、そんな仲間たちからの電話が鳴り続け、彼らの一部は自治体や JR からの召集がなくとも、参加する意気込みがある。
京阪神の人間は、「 阪神大震災 」 の体験があるので、心のケアの必要性については、十分に認識できているのだ。
かといって、各々が勝手に勇み足で行動しても、現時点では当局の混乱を招く恐れもあるので、協会に主旨を伝えることとなった。
そういうわけなので、「 GW に会えない 」 ということになっても、心変わりしたわけではないのでお許しを願いたい ( 私信 )。
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