| 2005年04月24日(日) |
Be yourself. |
「 本来の自分になりなさい。 さもなければ、あなたの母親になりなさい 」
ウッディ・アレン ( アメリカの俳優、映画監督、脚本家 )
Be yourself. If you can't be yourself, be your mother.
WOODY ALLEN
自分が 「 なれないもの 」 になろうと試みることは、不幸の一因である。
変化を求めて努力することと、「 自分らしさ 」 を失うことは別問題だ。
自分の 「 母親になれ 」 というのは、ウッディ・アレン流のジョークだろうが、なかなか本質を突いているかもしれない。
要するに、「 気取らず、自分らしく生きよう 」 という教訓が含まれた言葉であり、もし、自分の母親の目線で見ても、それは正しいかを問うことだ。
身の程以上に立派でなくとも、最低限、自分で決めたルールぐらいは守り、胸を張って生きていたいものである。
誰の目を誤魔化せても、自分の 「 心 」 に嘘はつけない。
自分自身を厳しく律する必要はないが、理想や欲望を追求するあまりに、本来の自分を失って、失速した飛行機のように墜ちていく人も多い。
大抵の人は、「 本来の自分 」 というスタイルを崩さないかぎり、それなりの長所や魅力を携えていて、それぞれに素敵な存在なのである。
向上心を持つのは良いことだが、背伸びをしたり、見栄を張ったり、実際の努力や行動以上に自分を見せようとすれば、どこかに無理が掛かる。
ときには、「 自分がなれないもの 」 になろうとして、素直な気持ちや、本来の自分らしさといった、かけがえのない大事なものを犠牲にしてしまう。
人間は誰でも、自分を 「 変えることができる 」 のも事実だが、多少、他人に比べて劣っていると感じても、すべてを捨て去るのは愚の骨頂だ。
オリジナルの自分を持たない人間が、理想の人物像を演じきったところで、そんな血の通わない 「 模倣の塊 」 には、誰も魅力を感じたりしない。
とある知人の女性と、久しぶりに再会した。
以前は地味で無口な印象だったが、派手で、しかも饒舌になっていた。
性格が明るくなったのは結構なのだが、不自然なほどに開放的で、かつての品位や、知性をかなぐり捨てるかのような、軽々しい応対が気になる。
彼女は、ある企業に転職したのだが、そこでの仕事が水に合わず、何度も職場で泣いたり、あげくの果ては体調を崩し、辞めてしまったそうだ。
辛く暗い傷心の日々を忘れるためか、無理に明るくつとめているらしい。
気になったので声をかけ、二人きりで話すことにした。
彼女の不自然な 「 陰から陽への揺り戻し 」 は、かえって自分を疲れさせ、そんな振る舞いは長続きしないことを諭した。
自分らしく 「 自然体 」 でいいということを、彼女は理解してくれたようだ。
彼女はとても魅力的で、お互いに 「 お相手 」 が居なければ、あるいは友達以上の仲になっていたかもしれない、自分と気の合う女性である。
彼女から、どうして 「 私の異変に気づいたか 」 を問われたので、それは 「 君が無意識に、私に “ SOS ” を送っていたんだよ 」 と答を告げた。
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