「 人は批判してくれというが、称賛を欲しているだけである 」
W・サマセット・モーム ( イギリスの小説家、劇作家 )
People ask you for criticism, but they only want praise.
W.SOMERSET.MAUGHAM
どんなに善意で言ったとしても、指摘された欠点から目を背ける人がいる。
そういう人にかぎって、「 誉め言葉 」 だけは大いに歓迎する。
インターネットに関する法律には、まだまだ未整備の部分も多いが、基本的には、リアルな世界と同様の解釈が通るはずだ。
たとえば 「 著作権 」 について言うと、他人が無料でネット上配信したものをコピーして私的に楽しむだけなら、商法にも抵触しない。
完全に、その人の 「 オリジナル的な作品 」 を、お金儲けの手段に使ったり、なにかの賞に盗用して応募すると、ちょっと問題である。
個人情報保護の観点でみても、元になる資料が 「 発信者が勝手に流布した個人情報 」 であれば、それを引用して公開されても文句は言えない。
普通ではない方法 ( ハッカーなどによる ) で、発信者が明らかにしていない個人情報まで公開するのは、処罰の対象になる可能性がある。
たまに、個人の日記などで 「 リンク禁止 」 とか、「 リンクフリー 」 だとか、注釈が付けられているものを目にする。
これは 「 ナンセンス 」 な話で、禁止しようが、許可しようが、それを誰かが引用するのは、法的に 「 自由 」 である。
私の日記も、ときどき部分的に引用してくださる方がいらっしゃるが、まったく気にしていないし、気にしたところで 「 引用者の自由 」 である。
幸い、好意的な感情で引用してくださる方が多いけれど、批判的な意味や、誤りを指摘される意味で引用されても、いずれも大歓迎だ。
日記を書き、公開し、それを読まれた感想をいただけることは嬉しい。
なかには、「 リンク禁止 」 と謳いながら、それが好意的な使われ方なら、 「 光栄にもリンクしていただきました 」 と、嬉しそうに報告する日記もある。
気持ちはわかるが ( 冒頭に書いたように )、読んでるこっちが恥ずかしい。
そこまで露骨に、「 批判は要らん、称賛をよこせ 」 という姿勢を示すのは、あまり 「 大人 」 のやることではないだろう。
不倫とか、なにかと 「 批判を浴びやすい 」 内容を綴った日記に、そういう類のものが多く、アチコチで突付かれていらっしゃるようだ。
個人的には、その行為自体を批判も、肯定もしないが、たまに 「 名誉毀損だ 」、「 傷ついた 」 などの書き込みを見ると、「 アホか 」 と思ってしまう。
ネット上の法律に詳しい弁護士の友人によると、個人が勝手に ( 頼まれもせずに ) 垂れ流した情報を引用し、批判しても、普通は罪に問われない。
ただ、たとえ反対意見であろうと、せっかくネット上で知り合いになった仲でもあり、少しは 「 善意 」 も含まれるならば、耳を傾けるほうが望ましい。
批判は避けて、称賛だけを与えられたいというのは、人間らしい 「 素直な偽らざる感情 」 かもしれないが、それではいつまでも成長しない。
他人の指摘に耳を塞ぐということ自体、どこかに 「 まずい部分 」 を自覚している証拠であり、真実を希求する姿勢から遠のいている。
虚勢を張り、殻に閉じこもるのは、「 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥 」 に通じる話で、それが嫌なら、WEB日記など書かないほうがよい。
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