Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2005年04月06日(水) 病気は恥ではないが、名誉でもない



「 人間集団で最悪なことといったら、態度の悪さ。

  これは伝染するんでね 」

                               ロジャー・A・レイビー

A bad attitude is the worst thing that can happen to a group of people.
It's infectious.

                               ROGER.A.RABY



何かの病気であることは、けして 「 恥 」 ではないが、「 名誉 」 でもない。

病人の使命は、「 病気を治すこと 」 と、「 感染を抑えること 」 にある。


前回の日記に、専門医などから 「 精神に異常あり 」 と診断されたりして、自覚症状のある人は、自動車の運転を慎む必要があると書いた。

それは、自分や第三者の安全を考えた場合に、必要な措置だといえよう。

精神病だけではなく、発作的な症状を併発する病気や、あるいは 「 病気 」 とまでいかなくとも、注意力、集中力に乏しい御仁も、運転は慎むべきだ。

本人に自覚症状がない場合は、周囲がよく観察し、戒めることも大事だ。

家族や、職場の人間が協力して、不幸な事故を招かないようにすることが、結果的には、本人のためにもなるはずである。


精神病の一種である 「 うつ病 」 の人を、励ますつもりで パーティ に誘ったり、人ごみに連れ出すのは、医学上 「 逆効果 」 といわれている。

うつ病患者を含め、人間は意外と 「 孤独 」 には耐えられるものであって、一人静かな場所で休養することは、淋しげに見えても大きな問題はない。

逆に、耐え難いのは、群集の中での 「 孤立 」 である。

うつ病患者を、人ごみや、活気のある人たちで賑わう場所に引っ張り出し、自分の存在を悲観したり、打ち消そうとすることで 「 病状 」 は悪化する。

この 「 孤独 」 と 「 孤立 」 の違いを正しく理解していないと、うつ病患者への対処を誤る可能性が強く、治癒上の失敗につながりやすい。


うつ病の典型的な症状は、「 物事に対する興味や喜びが衰退している 」、「 疲れやすく、行動力が低下している 」 などが代表的である。

付加的な症状は、自信を喪失し自己評価が低下している、自分を責める、自殺願望がある、焦燥感に駆られる、睡眠障害、食欲不振などである。

現代において、彼らの症状を悪化させる要因の一つに、「 インターネット 」 というものの存在が、少なからずあるような気がする。

無数の人々が情報を発信するネットの世界は、ある意味 「 人ごみ 」 なのであり、うつ病の人が交わることには、かなりの 「 リスク 」 がある。

事実、ある 「 うつ病患者 」 の場合、症状が悪化している傾向がある。


普通、私のように日記を書いている人間は、語尾を 「 です。ます。」 で締めるか、「 だ。である。」 で締めるか、その文体は一定している。

その日によって、昨日は 「 〜です。」 と書いたり、今日は 「 〜である。」 と書いたり、口調がバラバラになることは少ない。

ある人の場合、初期の日記は 「 〜である。」 で統一されていたし、内容も、たしかに 「 うつ病患者特有の 」 自己嫌悪的な文章が多かった。

ところが最近は、「 自分を正当化し、他人を口汚く攻撃する 」 という正反対の文章や、あるいは、媚を売るような 「 〜ですよね。」 という記述も多い。

内容も、人種差別を批難しながら自分は 「 差別的な発言 」 を交えるなど、支離滅裂に陥っていて、うつ病というより 「 分裂症 」 の兆候がみえる。


けして 「 辞めろ 」 とは言わないし、あくまでも個人の自由ではあるが、心の病が治癒するまでは、「 ネットの世界に浸る 」 ことが望ましくないと思う。

それに、小説を投稿するとか、自分の体験談、闘病記を載せるのなら問題は少ないが、時事問題や、社会批判を掲示するのはどうかと思う。

なぜならば、「 精神科に通い、治療を受けている = 自分の発想や、考え方には異常な点、誤りが多い 」 ことを、自覚しているはずだからである。

すべてが間違いとは言わないけれど、自分の精神状態が 「 万全 」 でないことを知りながら、世間に持論を発信するのはいかがなものか。

本人は 「 ストレス解消 」 のつもりで始めたかもしれないが、先般から述べた 「 人ごみは逆効果 」 という事実を鑑みても、その期待は望みが薄い。


また、精神的な病気も 「 感染 」 することがある。

ネットで知り合った 「 見知らぬ人々 」 が意気投合し集団自殺を図ったり、負のベクトルが相乗作用することがあるのは、もはや周知の事実だ。

負の主張をネットにばら撒くのは、インフルエンザで咳が出て苦しいからといって、他人にまで咳を吐きかけるようなことをするのと同じようなものだ。

それを責め、「 悪いこと 」 と中傷することが目的ではなく、自分も 「 仕事で抑うつ状態に陥った人 」 を扱うことがあるので、心配しているのである。

メールを直接くれれば相談に乗るし、あるいは、主治医に 「 ネットのことも含めて 」 素直に心を開き、すべて正直に話されることをお勧めする。






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