| 2005年04月04日(月) |
話し上手になるためには |
「 話を止めれば、お客を逃がします。 背中を向けても、逃がします 」
エスティ・ローダー ( 化粧品会社役員 )
When you stop talking, you've lost your customer. When you turn your back, you've lost her.
ESTEE LAUDER
話し下手であることを、「 話術が下手なためだ 」 と思っている人が多い。
つまり、話し方が下手なことが、「 話し下手 」 だと思い込んでしまう。
実際には、密度の濃い内容を持ってさえいれば、多くの場合、少しくらいの巧拙は気にならないものである。
よほどの 「 赤面症 」 か、対人能力に問題のある人でなければ、話すべき内容を他人に伝えることは、そう難しいことでもないはずだ。
話せないのは、話そうとする内容に 「 中身の無い 」 ことや、何から話せばよいのか、頭の中でまとめていないことが原因となっている場合が多い。
では逆に、「 話し上手 」 な人は、どこが秀でているのか。
それは、「 分析力 」 に拠るところが大きい。
まず、話すべき内容の要点を分析し、そこに至る経緯や、自分なりの考え、対処法といったものを整理し、もし尋ねられたら答えられるようにしておく。
何の準備も心構えもなく、状況を相手に説明するだけでは、「 中身が無い 」 のと同じであり、単なる 「 伝書鳩 」 のようなものである。
主観を持ち込まず、客観的に伝えることはよいことだが、自分の考えを押し付けないことと、「 自分の考えを持っていない 」 こととは違う。
では、「 話し方が上手 」 な人は、どこが秀でているのか。
それは、「 観察力 」 に拠るところが大きい。
読書や、日常の生活において、「 これは使える 」 という表現を見つけたり、他人との会話から学ぶ 「 話力の目 」 を持つことが重要である。
特に、自分が聞いて 「 説得力を感じた 」 言葉などは、マメに記憶しておいて、必要なときに、頭の引き出しから引っ張り出して使うとよい。
そのためには、他人の話を傾聴することや、問題意識をもって活字を読む習慣を身に付けるべきで、無感動、無関心な姿勢では上達しない。
ファッションと同じく会話にも 「 センス 」 というものがあるが、いずれも多くの経験を踏んだ人のほうが、センスは磨かれ、洗練されていく。
観察力をもって収集し、模倣して使うことの繰り返しが、会話力を高める。
会話には相手があり、その相手こそが 「 効果の決定権 」 を握っている。
正直に伝えさえすれば 「 話し下手だって、いいじゃないか 」 と言う人もいるかもしれないが、そのことをわきまえて話すことは極めて重要である。
本当の 「 誠実 」 は、自分に対する誠実よりも、他人に対する誠実のことを言っているのであり、相手に不快感を与えない気配りを要するものだ。
誠実な話し方とは、相手が正しく受け止められるように、相手が許容できることを含めて、正しく考えて話すことを指す。
だから、「 言いたいことが伝わらない人 」 も、「 自分勝手な話をする人 」 も、「 饒舌だが、迷惑な人 」 も、全員、会話の修行が足りないのである。
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