Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2005年03月28日(月) 心と行動



「 コミュニケーションが病気でなくてよかった。

  それについて私たちは知らなすぎるから 」

            ウイリアム・A・マーステラ ( アメリカの広告会社重役 )

Thank God communication isn't a disease because we know
so little about it.

                        WILLIAM.A.MARSTELLER



昨夜は外泊し、久々に 「 豪遊 」 してきた。

4月上旬はかなり忙しくなるので、英気を養うのも今のうちである。


さて、世の中は相変わらず 「 ライブドア 」 の話題で持ちきりである。

そろそろ 「 どっちでもいいや 」 と思い始めた私にとって、この件は日記のネタにするのも面倒なぐらいだ。

しかしながら、どこへ行っても、誰と会っても、この話題を提供されることが多いので、なんとなく 「 耳年増 」 みたいになってしまっている。

興味も無ければ、自分に影響も少ないのだけれど、あーでもない、こうでもないと聞かされているうちに、自然と情報が集まってしまうのだ。

そんな私と 「 同じような思い 」 をしている方も、いらっしゃるだろう。


世論は 「 堀江氏を支持する派 」 と、支持しない派で二分している。

私からみて、彼の良いところ、評価すべきところは、まず 「 行動力 」 という点で、その大胆なチャレンジ精神は賞賛に値するだろう。

たとえば 「 やるべきことをやらず、へ理屈ばかり並べ立てる 」 という人や、「 やる前から諦めて、簡単にギブアップする 」 人に比べると優秀である。

強大な敵に立ち向かうとき、「 負ける理由、戦わない理由 」 を考えるのは楽だが、そこで行動を起こすこと、可能性に賭けることは勇気がいる。

もちろん、その勇気も思慮に欠けると 「 無謀 」 でしかないが、それなりの勝算を根拠にしていることは明白で、そう決め付けるのは妥当でない。


別に、とりたてて 「 彼の悪いところ 」 はない。

礼節に欠けるとか、品性がどうとか言うのは客観的でなく、あくまでも個人的な感情の域を出ない話だろう。

方法論に問題があれば司法が判断するが、今のところその様子も無い。

アメリカでは、「 放送局等を外資によって買収できない 」 というシステムが安全保障上の観点から構築されているが、日本にはその制度も無い。

だから、彼のような 「 投資家 」 が、敵対的買収をされる余地を残していた 「 危機管理の甘い企業 」 を買収することに、何の異論もない。


だからといって 「 支持するか 」 と尋ねられると、返答は 「 NO 」 である。

マスコミは 「 マス・コミュニケーション 」 の略であり、彼のように無手勝流で他人との 「 コミュニケーション 」 を軽視する者に、資格は与え難い。

つまり、企業を買収することに異論はないが、経営に参画することにより、彼の構想する新しい 「 マスコミ像 」 を構築することには期待していない。

だいたい、アウトローには 「 アウトローの生き方 」 というものがある。

卓越した大胆な行動力、実行力は認めるが、それだけで全てを支配できるわけではなく、「 コミュニケーションの要 」 になるには不十分な点もある。


社会や、企業というものは、例えて言うなら 「 大樹 」 のようなものだ。

花は枝に支えられ、枝は幹に支えられ、幹は根に支えられている。

この根は地中に 「 たしかに在る 」 のだが、花や枝や幹と違って、外側からは見えないようになっているものだ。

美しい花や、枝ぶりの見事さに惚れて大樹を買っても、根の重要さに気付かず、そこを大事にしなければ、立派な大樹もすぐに枯れてしまう。

コミュニケーションの 「 要 」 とは、まさにそういうことで、お金では買えない 「 心 」 と 「 行動 」 を理解しなければ、それを管理することは難しい。






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