部長motoいっぺい
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2003年04月25日(金) 愛国心とは

前回のコミカレでのこと。

メインの話題とするニューズウィークの記事は、イラク軍の兵士が戦場から次々と逃げ出したという記事であった。レジュメをまとめた僕が、議論ポイントとしたのは、「戦場から逃げ出す兵士たちについて、どう感じるか」ということだった。

クラスの多数は、「フセインのような独裁者のために、むざむざ死ぬことはないので、逃げる気持ちもわかる」という意見であった。

しかし、韓国のジュン君は、
「確かに僕もフセインは支持しないので、僕もその場にいたら逃げだすと思うけれども、でも精鋭部隊と呼ばれる人たちまで逃げ出すのについては、ちょっと失望した」
と、ちょっと違う視点の意見を述べていた。

実はクラスの中で彼だけが徴兵されており、「国のために戦う(準備をする)」という経験をしている。

僕は徴兵されて軍隊に所属するということが、彼らの中で感情的にどう消化されているのかに興味があったので、次のような質問をした。

「人間だれしも、死にたくないでしょ。でも戦場から逃げることは「いけない」ことだよね。その辺について、軍隊は兵士達にどういう風に教育するの?」

すると彼は、
「別に戦闘中に逃げるなとか教育されるわけじゃないですよ。それって自分の国を守るという気持ちになれば、愛国心から普通に湧いてくる感情だと思いますけど。」

すると講師のエバが、
「そういう質問をするっていうことは、日本人は違う感情を持つっていうこと?」
と聞いてきた。

僕は日本の学校において、「愛国心」というものを「教育」することは一種のタブーとされており、あまり「国を愛する」という気持ちをもったことのない若い人が多いのではないか、ということを言った。

日本から留学できている大学生2名もうなずき、
「日本に外国が攻め入ってきたら、戦わずして降伏するしかできないと思う」
と付け加えた。

確かに他国が攻め入ってきたときに、実際に反撃する力がない国はたくさんあると思うが、しかし世界中どんな国を見回しても、「国を愛する」という気持ちを教育しない国はないんじゃないか、と思う。

グローバル・スタンダードにこだわる日本人が、もっとも世界からかけ離れているもののひとつが、自国を愛する気持ちの教育だと思う。



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