部長motoいっぺい
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| 2003年04月22日(火) |
Chuzai2goのお仕事日記 |
本日は僕のお気に入りの日記である、Reiko Katoのお仕事日記をFeatureしてお送りいたします。 といっても、なかなかあのような名文を書けないのは承知の上で。。。
同じ建物の中で働いていてさえ、ミスコミュニケーションというのは発生すると思うのだが、これが日本と外国の間のコミュニケーションとなると、時差による制約も働き、大きな誤解を生じさせる場合がある。
僕も、日本で忙しくしている時は、コミュニケーションの重要性に気づきながらも、なかなか痒いところまで手が届かないような情報発信しかできていなかったと、今になって思う。
そこで、自分が「遠隔地」となった今、少なくともこちらから発信しなければならない、または発信したほうが良い情報については、なるべく丁寧に発信するよう努力しているつもりだ。
ところが、日本から短期で来ている出張者には、この重要性があまり理解されないことが少なくない。
先日のこと、現在進行中のプロジェクトにおいて、比較的大掛かりな修復作業が必要な製造不良が発生した。いつもならば、部品を修理して済ませたがる製造元も、今回は先方から部品を新品に交換したいと申し出てきた。 結論としては、先方に部品を交換してもらうことに異論はないのだが、製造不良が発生したという事実、およびその原因と今後の対策を、日本の関連部署に知らせる必要がある。
僕は数日前にこの製造不良が発生したことを小耳に挟んでいたため、検査担当であるS君に状況を問い合わせた。
すると、S君は
「主任検査員のTさんには報告したのですが・・・」 と前置きした後、製造不良が発生した部位について説明してくれた。 どこがどのように不良なのかは理解できたため、僕は
「どうしてそういうことになったの?」 と、至極当然の疑問を彼に投げかけた。
彼は、 「先方から、まだ詳細の情報が入っていないので・・・」 と逃げた。
僕は、「待ってるだけじゃなくて、自分から聞きにいかなきゃ駄目なんじゃないの?」と思ったが、英語で交渉することは彼には難しいと思ったので、あえて口には出さなかった。 そのかわり、 「で、現状について東京には報告したの?」 とたずねたところ、主任検査員が報告していなければ誰も報告していないという。
僕はさすがにムッとして、 「本件について、君は東京に報告しなくて良いと思っているの?」 と、問いただしたところ、
「自分としては報告すべき事例だと思いますが、主任が報告せずに、自分が報告するのもおかしいと思うので・・」 とか言う。
彼の言うとおり、確かに東京への報告は主任検査員の責任において行われる業務であり、彼の発言は一見正論に聞こえる。 が、僕は彼に対して憤りを感じた。なぜなら、
・自分が「思った」のなら、どうしてそのことを上司に「提案」しないのか。 (本件ならば、「東京に報告書を送っておきましょうか?」とか)
・本当に必要なことならば、仮に上司が否定しそうでも「説得」「誘導」を試みようとしないのか? (本件ならば、「東京に報告書を送っておきますね」とか)
入社して3年もして一通りの仕事を覚えれば、「言われたこと」ぐらいは誰でもできるようになる。 会社人としての力量は、 「周囲(上司・部下)をいかにして自分の思い描いた絵面どおり動かせるか」 で決まってくるような気がするのだが、彼からはそういった気概は感じられない。 そして、それは彼個人だけではなく、最近の若い社員に少なからず見られる傾向だと僕は感じている。
僕が、 「自分が必要だと思ったのなら、どうしてそのことを主任に提案しないの?」 と、少々厳しい口調でS君に突っ込んだところ、彼は困ったような表情を見せた。
その「困ったような表情」というのが、「自分がやるべき努力をしなかった」という反省から来ているのであればいいのだが、「そんなの僕の仕事じゃありません、主任が決めることです」という考えから来ているのであれば、正直言ってこの先あまり彼には期待できない。
この話をしている途中で、主任検査員が検査員室に戻ってきたため、僕は主任に「早急に報告書を東京に送っておいてくださいね」とお願いし(もちろんその理由も含めて)、報告書は東京に送られることとなった。
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