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■ 灰
今年もまた、花束を買う季節が来た。
空を見ると白い粉がパラパラと落ちてくる。顔はともかく、レンズにつくのはいやだったから外してシャツでぬぐった。 灰は北の方から流れて来ていた。北には、魔女が住むという山がある。そこからこの灰は舞ってくる。一人の人の命が尽きるごとに。 もう五年は経つか。懐かしい。灰を見に行った。目の前で灰が噴き出しているのを、黙って見ていた。たくさんの人と見た。何も言わずに。 見ていな。魂が灰に変わるよ。 傍らで年配の社員がそうささやいた。
2003年05月02日(金)
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