どんぐり1号のときどき日記
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2010年06月08日(火) 渋谷撤退

 はかせのところで渋谷のHMVが閉店すると知った。
 しかしいきなり渋谷と言うところにはいたく驚いてしまった。この規模なら、閉店するにしても普通は最後の方にするだろうと思ったからだ。
 もっとも今の一般的な企業は、短期間で利益が出るかどうかという基準だけで動いているので、これもありなのかもしれない。そもそもHMVも親会社は投資会社だから、短期決戦の対象になるのも当然だろうし、6月にはTSUTAYAの親会社に営業譲渡すると聞いていたから、どこかを整理するのも当然ではある。大きい店を体力のあるうちにたためれば、小さい店を撤退させるのはより簡単だ。経営とはそうしたものなのである。

 ちなみにTSUTAYAの親会社という事は、新星堂とHMVは親会社が一緒になる訳で、そうなるとこれからもある程度の整理が進むのかもしれない。渋谷を閉鎖するとなると、仙台のHMVも整理の対象となる可能性もあるし、最近の新星堂は品揃えが酷くなってきたから同様だ。そう言えば別会社ではあるが、タワーレコードも最近品揃えがおかしくなっているから、これも危ないかも知れない。
 なんだか、ますますリアルでの買い物は難しくなってきそうだ。

 自分の経験上では、店で色々見て回ると、今まで知らなかったものを買えたりするので楽しいというのがあった。自分のカンというのもあれば、店員との会話というのもある。一般的には、ネットで捜しても結局は知った物しか捜せないという傾向があるからだ。ただ最近は、youtubeで今まで知らなかったものを見つけられるという楽しみもあるにはあるのだが、それとて基本は人とのつながりによる情報があって捜すという形の方が圧倒的に多い。自分独自で新しい物を探し続けるというのは、至難の業なのである。

 いずれ店がなくなるという事は、CDが衰退しているという証拠でもある。CD販売の絶対数を支えているのは40代以上のマニアックな人種だけであり、もはや一般人からはCD購買力を期待する事は出来ない。そして今後は、ネットでのデータ販売が増えていくようになるのだろう。一般人はアルバムで買うという習慣はないから、必要なものを必要なだけ買うようになっており、それに企業が対応するにはデータ販売が一番楽だし、今の企業とは単純な方向に簡単になびいてしまうのだ。

 そう考えると、本も同じ道を辿るのかも知れない。どちらも絶滅危惧種になっているという事だ。なんだかモデルガンから始まって、自分の趣味というのはことごとく絶滅危惧種になっているような気がするのだが…。


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