どんぐり1号のときどき日記
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2009年06月09日(火) 結局は経済活動

 普通の日本人ならまず知らないと言って良い「バン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」で、日本人の辻井伸行氏が優勝したと各メディアでは大騒ぎしている。
 彼は全盲であり、優勝自体は努力の賜なのだから、その部分では賞賛に値するが、メディアは全盲で優勝という部分に飛びついているのかも知れない。だからインタビューもワイドショー並みであり、インタビュアーの知能の低さが露呈されるものばかりである(あいつらはピアノというものを知っているのだろうか)。

 だがこの扱いも、辻井伸行氏の所属を知れば納得できる部分もある。
 彼はエイベックスが5年程前に立ち上げたクラシック部門avex-CLASSICSの専属であり、すでにCDを2枚出している。つまりエイベックスにしてみれば、所属演奏家が国際コンクールで優勝し、しかもすぐに売り出せるCDが2枚もあるというのは、商売として実においしいのだ。やはりコンクールに優勝してからCDデビューというケースの方が圧倒的に多い中、会社としてみればこんな楽な商売はない。あとは各メディアにプッシュするよう依頼すれば良いだけである。
 現在エイベックスの依頼を断るようなメディアは、まず存在しないだろうし、大物を多数抱えるエイベックスの機嫌を取っておいて損はないと考えれば、「辻井をよろしく」「はい承知しました」という「あうんの呼吸」があったと考える方が自然だ。

 つまり今回の優勝報道は、彼を讃えるためではなく、単なる商売のネタとして利用しているに過ぎない可能性が高い。ここでも現在の日本のメディアは、音楽に対してあまりにも知性がないという証拠になっている。
 そう考えるほどに今回の報道は不可思議なのである。


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