どんぐり1号のときどき日記
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コミック・リュウを立読み。といっても見るところが実はほとんどない。
ただ、押井監督がエッセイの連載を持っているので、時々立読みする。 今月はこの雑誌の読者は多分ほとんどが知らないであろうタルコフスキーを何故か取り上げている。押井監督自身が「何故、今頃になって彼を取り上げるんだ?」といっているのだが、これがまた異様に面白い内容だった。もしかしたらヘタな解説本を読むより、このたった3ページを読んだ方が、タルコフスキーの本質が見えてくるかもしれないし、また同時に押井監督がタルコフスキーに傾倒していたのに何故見限ったのかという疑問もある程度判る。
押井監督はタルコフスキー監督の最高作は「鏡」だといっているが、あの「サクリファイス」は痛々しくて見ていられないのだという。なぜなら結局彼はロシアという故郷を捨てられない人間だというのを露呈しているから、というのがその理由なのだが、元々タルコフスキーというのはそういう映像作家なのではないだろうか。 どこで故郷を捨てる事が出来るかで自分の立ち位置は大きく変わるのだが、問題はその時期である。タルコフスキー監督がもう少し長生きすれば、あるいは捨て去る事が出来た可能性がないでもないが、結局のところ亡命してしまっては(それが映画を撮りたいというただそれだけの理由であれば尚更)、故郷への郷愁を捨て去る事は難しいだろう。しかも彼の郷愁には家族というものが含まれているだけに尚更厄介である。
今月はこの3ページのために買うべきだろうかと悩むのだが、これはどうしても昔の押井監督の書く物がそのまま埋もれてしまうのを見てきたために、はたしてこれが本にまとまるか一抹の不安があるのだ。そして悩むほどに面白い内容だったという事だ。
あとは伊藤伸平の「大正野球娘。」だけ読んでおく。 原作物であり、当初は大した内容ではないと感じていたが、先月あたりからいかにもこの人らしい内容になってきた。もしかしたら私好みの作品に化ける可能性もあるので、しばらくは注目しておきたい。
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