どんぐり1号のときどき日記
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大騒ぎになっている世界規模の金融危機は、ほぼ解消されたようだ。もちろんこの場合の金融危機とは、銀行間の、という意味で、それ以外の何物でもない。 かつての大恐慌の際には国同士どころか、各国内であっても共同姿勢はとらなかった。いや、とれなかったのである。だが今回は文字通り世界中の金融機関が国を越えて協力するという、人類史上初めての事態になった。これは当然で、ヨーロッパでは大手の銀行すら潰れて国家管理になったりしていたのだ。放置すれば自国に被害が及ぶから、嫌でもなんとかしなければならない事態に陥っていたのである。 だがドルの一極支配である世界経済で、そのアメリカも危機的状況に陥っていたのだが、それをなんとかできたのは、今回全くの無傷で残っていた日本の銀行である。日本は不良債権を処理し、ハイリスク・ハイリターンの投機をせず、低金利運用を続けたおかげで、世界でも稀なほど頑強な財務体制になっていたので、今回の恐慌にもなんら心配がなかったのである。
つまりこれは、小泉首相時代の不良負債処理が非常に大きく効いていた結果である。あまり日本のメディアは取り上げないが、今回の事態で日本の金融界は世界中から注目されている。大恐慌一歩手前ですら、日本の金融界はまったく揺ぎ無く世界中の金融を援助した。これはあの時の処理がうまく機能していた証拠である。 犠牲は大きかったがそれでもああいう形で強行しなければならないほどに、日本の政治経済、それを司る役所は腐りきっていたので、やって大正解なのである。
確かにそれで景気の向上はなかった。だがそれは当たり前である。やる前から痛みは全体へ渡ると彼は明言していたのに、本気にしていなかった連中が痛い目にあっただけだ。 この処理について、実はアメリカのバックアップも凄く、不動産絡みで暴力団が確実に関与してくると判っていたため、その対応策すら作っていたのである(つまり、直接的妨害工作への対処マニュアルが存在する事を意味する)。その時のメンバーには、アメリカの民間金融機関と情報機関の他に軍関係者も関与していたが、これは日本の銀行では不可能だし、現在の状況ではなおさら日本単独では不可能だ。これが大きく取り上げられない理由の一つは軍の関与があったからだが、暴力団相手に頭脳戦を行うには、日本の銀行では無理だし、日本の政府でも力不足だ。なにせ最悪の場合、直接行動が必要になるからだ。この時のアメリカ軍は、戦後の占領下統治の手法を応用していたとの事だが、そんな大々的な計画を認めさせたのも小泉首相の功績だ。メンツを大事にしていては、この計画は実行すら出来なかっただろう。 つまり小泉とブッシュのつながりはイラへの派遣だけではないのである。不良債権処理に関しては、本当にアメリカの力が大きく、不良債権を実際に買い取る第三勢力まで動かし、それでいて景気を気遣い、実質表面上はあまり派手に動いていないような工作までしている。だから小泉はイラクへの協力を惜しまなかった訳である。
結局、きれい事だけでは現実の経済は理論通り動かない。だからあの時の不良債権処理を失敗だという評論家のいう事はあまり信用できない。少なくとも現実的処理と長期的視野に欠けるという事を証明しているのだ。 私は信頼できる情報を見ていたから、景気は上向かなくてもやる必要があったと当時から理解していたし、それが上手くいきつつあるという実感もあった。だがそれを話してもほとんどの人が理解してくれなかったが、それは直接自分の周辺の景気向上につながらなかったからだ。まあ民衆とはそういうものだろうから仕方がない。 残念ながら、自分の利益と長期的視野はまったくの別物なのだし、ましてや国家の腐敗を正そうとした場合には、かなり大きな犠牲が伴うのである。日本は長く社会主義国家として成功した唯一の国なので、役人をなんとかするのは至難の業なのだ。
結局、そういう大局的な考えの元に行動を起せる政治家は、多分小泉が最後になるだろう。今後ここまで政治家として一流な人間は出てこない。なぜなら利害が直接絡むようにしがらみを持っていては、国家の事など考えられないからだ。そしてたとえそういう考えを持っていても、行動できなければ意味がない。 だから小泉は、運も良かったが政治家として天才的だったといえるのだ。それが理解できない日本人は、明らかに利害関係で物事を見ている。そして現在の政治家は全てそうだ。極めて矮小である。
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