どんぐり1号のときどき日記
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| 2008年06月05日(木) |
「殺戮のチェスゲーム」は長い |
夜にいわさきさんから電話。 6月の宴会の件とちょっと雑談。どうも6月21日開催の線が濃厚になる。 でもやはり昔からSF仲間と話していると、飛躍的に思考回路がショートショートして楽しい。多少はアタマの体操になっている、のかもしれない。
夜中にようやく「殺戮のチェスゲーム」読了。長かった。 上中下の全3巻という長さ(1600ページ強だ)は、やはりこの年になると少々きつい。目も気力も悲鳴を上げてしまう。だからこの内容なら1000ページ位でも良いような気がしてしまうのは仕方がないだろう。 ただこの小説においては、各キャラクターの心情の変化を描くには確かに必要な長さなのかも知れない。ハロッドとマリア・チャンの関係など、これはある意味大長編でないと成立しない展開かもしれないだろう。まさか最後でハロッドがこんな行動を取るとは、かなり意外だった。もっともそれに対してのマリア・チャンの言動は、もはや理解しがたいものがあるが…。 ちなみに全然関係ないが、「楽勝!ハイパードール」のナチ関係者の名前の一部は、明らかに「殺戮のチェスゲーム」から引用されている。これはちょっと面白い。
しかし全体像としては「カーリーの歌」とベクトルが正反対だ。「カーリーの歌」では悪に対しててあっても暴力の行使を否定しているし、恐ろしい事に肉親の死という状況ですらこれは貫かれている。これに対して「殺戮のチェスゲーム」では、悪を倒すためには同等の暴力の行使が必要だと、完全に暴力の肯定になっている。同じ作家が時期的にも近い作品で正反対の思想内容を描くというのも、近年珍しいのではないだろうか。
ところでこの作品、文章の仕掛けに気づけば、あるキャラは最後まで死なないのではないかと早々に気づくのが問題点と言えるかもしれない。なにせそのとおりだったのだから。 意外な人物が早々に死に、死ぬだろうと思った人物が最後まで死なない。そういう意味ではすっきりしない部分もあるが、人生なんてそんなものだ。
数年かかって「ハイペリオン」以外のダン・シモンズ作品を読んできのだが、現在のところ一番気に入っているのは「ダーウィンの剃刀」だ。 とにかくご都合主義でアクションがどんどん展開する、これこそ今のハリウッド映画にぴったりな作品だろう。そして後半はバレット対ドラグノフの狙撃戦(しかも狙撃の描写が正しいのがうれしい。1対1の撃ち合いではないのだ)となるあたり、実に燃える。この小説はふつうのアクション作品3本分の面白さを秘めている。どこかで版権を買って、さっさと映画化するべきだろう。
そしていよいよ「ハイペリオン」に着手するのだった。
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