どんぐり1号のときどき日記
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2007年09月21日(金) 営業の本質

 電機大手のシャープとパイオニアが資本・業務提携すると発表した。シャープは12月にパイオニアの第三者割当増資を414億円で引き受け、パイオニア株の14.3%を保有する筆頭株主となる。

 元々パイオニアは、技術はあるが企業としての規模が小さいために営業力が弱く、しばらく経営難が続いていた。今回液晶テレビを中心に業績が好調なシャープに支援を仰いだ形になるらしい。シャープも自己株の0.9%分の第三者割当を行いパイオニアが197億円で引き受けるので、一応資本を持ち合う形にはなる。
 しかし会見発表の席では互いの経営に口を出す予定はないと言ってはいるが、シャープが筆頭株主になってしまった以上、収益が見込まれない事業に口を出すのは、株主なら当然の権利となる。
 つまりこれでLDプレイヤーの製造は完全に断たれる事が明確になった訳で、この世からLDシステムが消滅する日は秒読み段階に入ってしまったのである。

 しかしLDにしてもベータにしても、良いシステムが生き残らないというのは実に変な話だ。
 両者が消えたのは営業戦略で勝てなかったというただそれだけの理由であって、技術的な問題があった訳でないのは周知の事実である。つまり営業というのは、「売りこむ事によって企業の利益を追求する事だけを目的としている」のであって、企業理念がどうあれ、社会の発展に貢献するものではないという事になる。というより社会の発展を妨害するのが営業の仕事であると言い換えても良いだろう。

 なぜなら、一般社会や自然科学の常識に則ったものは他社がとっくに発売しているので、他社との差別化を図るためには何かセールスポインが必要となり、そのためには価格の問題があって本来必要な高性能など、一般相手には必要ではないと考えるのである。あるいは性能が劣っていてもトンデモ科学を利用して社会をだます事で売り込もうとする。そうしないと自社の物が売れないからだ(そして最終手段は、業界挙げての村八分である。LDに関しては歴史を調べればよく判る)。
 前者は「ベータ対VHS」や「LD対VHD」を考えれば判るとおり、どちらも性能で劣るのに何か一点のみを捉えていかにも相手より優れているような営業をするし、後者はマイナスイオンという事例を考えれば、容易に判るだろう(未だにこれをセールスポイントにしている製品を出すメーカーには呆れてしまう)。

 そもそも現在、自分より賢い営業に会った事のある人などどれ位いるのだろう。営業というのは「自社の製品の性能だけ」あるいは「広く浅く、誰でも知っている性能」しか知らないのがほとんどだ。
 そして売りたい製品(過剰在庫かリベート対象の製品など)しか勧めないのがみえみえなのである。それが今の営業という存在だ。

 さて、パイオニアが完全撤退する前に、LDプレイヤーのメンテナンスを頼んだ方が良さそうだ。


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