どんぐり1号のときどき日記
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ちょっと珍しいルートで、押井監督が現在製作中の映画の情報が入ってきた。 内容からして短篇も短篇、またも雑誌の付録なのかもしれないが、今度は「真・女立喰師列伝」なのだそうな。 これだけでもかなり意外なのだが、さらに驚いた事にその主人公は、ひし美「アンヌ」ゆり子氏なのだという。彼女の役は「鼈甲飴の有理」と言って、背中に金魚の刺青をした伝説の女立喰師なのだとか。
この情報が確かだとすると、押井監督は好き勝手にやっているなぁ、と思ってしまう。確か別の長編アニメを手がけているはずだが、と心配になるが、以前もパラレル進行をやってるから、別にいいのかもしれない。特にこれはお遊びだろうし。
ただ「立喰師列伝」のテーマから次第にずれているのは間違いない。前作の「女立喰師列伝」からしてテーマがずれていたのに、これでは完全にスピンアウト作品になってしまう。 そもそも「立喰師列伝」は、その原作が非常に素晴らしい出来だった。偽の昭和史でありながら、実際の昭和史の裏を鋭くえぐり、失ったもの、というよりあえて切り捨てたものを浮かび上がらせた手腕は大したものである。私はこの作品をして彼は小説家の仲間入りをしたと断言する。それほどに素晴らしい作品だったのである。
だがその映像化にあたり、やはり予算という大きな壁は崩せず、戦略としてああいう映画にならざるを得なかった訳である。それはそれで面白かったが、どうしても小説のダークさは出てこなかった訳で、それが非常に不満でもあった。 多分それは監督本人が一番判っているのだろうが、どうしようもないというのも一番判っている立場である。だからこそ「女立喰師列伝」を作って鬱憤を晴らしている、というところなのだろう。雑誌連載のマンガとの兼ね合いもあろうが、多分押井監督は、雑誌社を手玉にとって良いように操っていると思うのだ。 そういう意味では、完成作品が楽しみでもある。
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