どんぐり1号のときどき日記
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2007年03月29日(木) 思い出は美しい

 先日、植木等氏が亡くなってからというもの、昭和が終わったという声を良く聞く。これには激しく同意する。植木氏本人のキャラとは別人格ではあるが、無責任シリーズは明らかに戦後の昭和を引っ張って行った一つの流れそのものである。

 だが同時に、「だから昭和は良かった」という感じの声も良く聞くようになったが、これにはあまり同意は出来ない。「昭和を懐かしむ」声が、どうも「太平洋戦争時代を懐かしむ」のと大差ないように感じるのである。つまり年寄りのノスタルジーそのものだ。
 別にそのノスタルジー自体は否定しないが、こういうものはえてして「過去は良かったが、現在は全くダメだ」という発想になってしまうのが嫌なのだ。スネークマン・ショーではないが、「良い物もあるけど、悪い物もある」(あるいは「良い物もある、悪い物もある」)というのが正しいスタンスだろう。
 古くても悪い物は悪いのだし、最新の物でも良い物は良いという自明の理なのである。

 自分では、新しくても古くても、良い物を見極める眼力があると自負しているし、若い頃というのは多かれ少なかれそういう完成を持っているものなのだ。
 だが年をとると、そういう良い物を見極める目が鈍くなるのかもしれない。結果、思い出ばかりが美しくなり、ノスタルジー万歳となる。これは若い世代や新しい物を否定する事になる。
 やはりそれではいけないだろう。年寄りの存在意義は、過去の良い物を伝承する事にあるが、だからと言って現在を否定してはいけないのである。

 もっとも戦後の最大の功罪は、過去の良い物も否定して高度成長時代を築いた事にあるのかもしれない。その反動が全て今来ている。誰でも気づいているとは思うが、過去を必要以上に美しがり、そして新しい物が作れな苦なっている。
 このままでは、本当に日本の将来は悪い方向へしか進まないのではないだろうか。


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