どんぐり1号のときどき日記
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参院で郵政民営化法案の審議が始まった。 衆院での成立が5票という僅差だった事を考えると、民主党がはしゃぐのも良く判る。だが結論から言えば、参院で法案が否決される可能性はまずないだろう。
理由は単純で、小泉支持者である青木参院会長とその側近である片山参院幹事長が、実質参院を牛耳っているからだ。 現在の参院では、解散総選挙になったら青木氏の決定権が絶大である。それに逆らって衆院と参院解散の引き金を引くだけの勇気ある議員が多数いるとは到底信じられない。そもそも衆院と参院では、選挙の体質も違う。参院は党などの支持がなければ、再選は極めて難しい。 その上、民主党も自分では何も出来ない烏合の衆だ。こんな情勢で郵政民営化法案を阻止するなど、まず不可能といえる。
さらに今回も公明党が解散には反対するという立場をとった。これでもし解散になったら、法案成立に反対した議員は絶対に選挙で当選は出来ない。現在の公明党のバックにある組織の選挙応援システムは、それほどまでに効果的なのだ。こと選挙に関しては、自民党ですら無視できない影響力を持つのである。 小泉首相はその辺の立ち回りが非常にうまいし、実際問題として、自民党の解体にほぼ成功している。つまり派閥の論理が通らないようにしてしまったのだ。これは「派閥のトップが反対したから反対する」という以前からのやり方が、ほとんど通らなくなってしまった事を意味する。 これは議会での法案成立には非常に効果的だ。多数決の原理というのは、一票差であっても勝ちなのである。トップが手下を引き連れて一斉に同じ動きをするという荒療治が、事実上消え去ってしまった議会では、「選挙での結果」という目的で皆が動いているのであり、その「結果」を見据えられる小泉のような人間には、実にやりやすい環境なのである。
それでも参院で法案が否決されたら、まだまだ骨のある議員がいるという証拠になるが、まあそんな事にはならないだろう。いずれ郵政民営化は避けられない局面まできているという事だ。
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